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ブログ・青木 正一
第184回:経営の両輪その1
2009年7月3日
経営の両輪、それは経営における様々なバランスを示す。そのバランスが保てなくなると、会社はおかしな方向に行ってしまうことがしばしばある。今回は経営陣についてお伝えしていきたい。
トップと参謀、または番頭役と言われるナンバー2との関係も、バランスが良くなくては会社として正しい判断が下せない。私は日頃、この件に関して物流会社の社長には「お笑いでいう『ボケ』と『ツッコミ』の関係のようなものだ」と伝える。どちらかが切り込むと、相手方がその反対側を担う。
そんな関係が経営トップとナンバー2には不可欠である。どちらかが「積極展開」とアクセルを踏めば、もう一人が「足元を固める」とブレーキを踏み、安全な走行を行う。それが理想である。
「うまくいってる会社」とか「業績の良い会社」と言われる会社には、必ずと言って良いほど、この「ボケ」と「ツッコミ」の関係が出来ている。昔はホンダの創業者本田宗一郎と藤沢武夫、ソニーの井深大と盛田昭夫が、そのような関係の代表であったと語り継がれている。
うまくいっている関係を見てみると、両者が「ボケ」と「ツッコミ」の関係であることと、さらに共通点が見えてくる。一つは「反対の意見、立場であったとしても目指すべきものは一つであり、そのための役割分担を行っている」ということ。そしてもう一つは、「男女、身内、他人に関係なく形成されている」ということである。「社長は営業畑、ナンバー2の息子は技術畑」であったり、「社長は営業・業務を見ており、奥さんは専務として経理・財務を見ている」などと言った例はよく目にする。
中小企業のように、人材が豊富であるとは決して言えない会社では、結局、この関係を身内で構築せざるを得ない。しかし、会社規模が大きくなるにつれて身内以外の選択肢を考える必要があるであろう。
いずれにせよ、「ボケ」と「ツッコミ」の関係を築ける相手を社内外に求めるというテーマは永遠かつ最重要テーマである。この記事へのコメント
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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