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東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法(吉永賢一・著、中経出版)
2010年1月5日
売上を上げるために、この苦境を脱するために…何か新しい方策を見つけようと、「本を読む」ことを始めている人も多いのではないだろうか。しかし、目的なくただ本を読んでいても、無為な時間が過ぎて行くだけである。
急に身に付けるのが難しい、「どの本を読めば良いか」「本とどのように向き合えば良いか」ということを分かりやすく教えてくれるのが、吉永賢一氏の『東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法』だ。同著では「頭が良い人」を「現実をうまく処理できる人」と定義し、そうなるための読書法として、本の「選び方」、「読み方」、「活かし方」が紹介されている。
自らも東京大学に入学した経験を持つ同氏は、家庭教師として、これまでに1000人以上を同大に送り込んできた実績を持つ。同氏にとって、本は「先生」。さまざまな本との出会いが、自らの人生の基礎になっているという。
「私は、何かを身に付ける方法として、『先生から教わる』ということを重視している。何か問題があったら、同じ問題を解決した人に学べば再現性が高い方法が見つかる。しかし、必ずしも自分にふさわしい『先生』が身の周りにいるとは限らない。そこで、効率良く『学べる』存在であるのが本。今ならHPやブログなどから手軽に情報も得られるが、独りよがりな面があるのは否めない。その点、本は編集者の手が加えられているため客観性がある」
本という媒体を「先生」にして「学ぶ」目的は、同氏によれば「自分が抱える問題を解決するための『次の一手』を見つけること」。
「(本を選ぶのに)大切なのは『自分にとって』という視点。本は、自分が直面している問題を解決したり、叶えたい目標を実現したりするための、『次にできること』を見つけるために読むもの。たとえば、資金繰りに悩む経営者が資本主義に関する本を読んでも仕方ない。自分にとっての緊急の課題は何なのか、まずはそれを明確にすることが大事」
同氏が推奨するのは「問題を紙に書き出すこと」。そして、その紙を持って書店へ行くことを勧めている。
「メモを持って書店に行き、自分に必要そうな本をたくさん買うこと。もしかしたら、思いもよらなかった分野の本にヒントが見つかるかもしれない。そして、多くの本の中から、『これだったらできそう』というものを見つけてテスト・検証を行い、うまく行きそうなら導入する。基本的にはこれの繰り返し。現状を作っている原因やプロセスを変えれば、変化は表れるはず」
「ワラにもすがる思い」で本を読むと、たとえ間違った本に出会ったとしても気がつかず、良い結果は得られない―とも。それでは、運送会社の経営者がするべきこと、そして読むのに適した本とは。
「本を読むよりも、(教えてくれる)人を探したほうが良いかもしれない。経験のある人から教わるのがいちばん。あとは、直接お客さんからニーズを聞き出すこと。『話し込める』お客さんを多く作っておき、ネタをいかに拾ってくるかが大事。広くアンケートをとるよりも、少ない顧客と徹底的に話すほうが有益だ。一方で、本の情報の特徴は『普遍性がある』ということ。原理原則を身につけたり、メンタル面の課題を乗り越えたりする際の『先生』としては最適だろう」
▼「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」、吉永賢一・著、中経出版、1300円(税別)
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