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ブログ・船井総研ロジ
第105回:食品物流業こそ、環境ビジネスへ参入せよ!
2011年8月9日
本シリーズの主旨でもありますが、環境ビジネスほど、物流企業にふさわしい新規ビジネスはありません。時流、顧客特性、業務特性のすべてに合っており、その上、社会性、教育性、収益性のすべてを有しているという、特異な分野です。その中でも、最近、我々が、特に力を入れて応援しているのは、食品物流業の環境ビジネス参入です。
理由は、3つあります。
(1)法規制にチャンスがある
食品リサイクル法(2007年12月改正)という法律があり、各食品関連企業は、食品廃棄物等の排出量の抑制と資源としての再生利用を推進しなくてはなりません。また、原油換算で年間1,500kl以上のエネルギーを使用している事業者(本社、工場、支店、営業所、店舗等)にかかる、省エネ法(2010年4月改正)というものもあります。これも、エネルギー量の削減目標の制定と経過報告を求めています。こういった各種法規制への対応を手助けする視点で、ビジネスを構築するのです。
(2)提案できるネタが多い
例えば、食品製造業なら、汚泥、汚水、動植物性残渣、廃プラスチック、古紙、廃パレット、廃油といった廃棄物が排出されており、これらの処理コストはかなりのものです。飲食業や食品小売業からも、同様の廃棄物が出ています。また、電気、ガス、水道、油などの使用も多く、エネルギーコストもかかっています。そして、それらを削減する新技術は、日進月歩でたくさん生まれてきています(信頼できる新技術の情報を、船井総研では多く押さえています)。これらのニーズマッチングと、その後のオペレーション・メンテナンスがビジネスチャンスになります。
(3)荷主との密着度が高い
一概には言えませんが、食品物流業には、他の荷種をメインとする物流企業と比較すると、荷主企業との密着度が高い企業が多いように思います。物流の形態が、図らずもそれを余儀なくさせるのでしょう。それゆえ、静脈系の企画提案や省エネ提案もやりやすい関係ができている場合が多いと言えます。
景気の低迷(私は、不景気ではなく非景気だと思いますが・・・)や少子高齢化、エコロジー志向の波を受け、比較的安定していると言われる食品のマーケットも、縮小傾向にあります。食品物流業の皆様には、これから間違いなく拡大する”環境”のマーケットへの参入を、ぜひ検討してみていただきたいと思います。
(株式会社船井総合研究所・橋本直行)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は10年8月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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