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ブログ・野口 誠一
第373回:失敗して見えてくるもの
2012年8月13日
倒産から4年余りたちました。いまにして思えば、倒産は私にとって、得がたい教訓だったように思います。失敗はヒントと教訓に満ちています。私が経営の失敗から学んだ教訓を要約すると、次の5点になります。
(1)経営は数学である。その数字に常に目を光らせ、事業としての費用構造を明確にし、損益分岐点を把握し、売り上げが落ちても利益の出る経営体質を構築しておくこと。
(2)すべての部署において、従業員数を適正に、できればそれ以下に抑えるとともに、労務管理を怠らず、社労士などの専門家とも連携しつつ、常に勉強、向上を心がけること。
(3)商品(現場)の利益率を重視し、「何が儲かっているか、いないか」を厳しくチェックして、その基準を構築すること。
(4)過剰な設備投資は禁物。会社の器を自覚し、常に適正規模の事業を心がけること。
(5)事業の継続を無理と判断したら、余裕を残して早めの転換や撤退を決断・実行すること。
経営に失敗した者が何を偉そうに、と思われるかもしれませんが、失敗したからこそ見えてくるものもあるのです。会社経営において、売り上げの規模や生産量の拡大を競うのは間違った競争だと思います。正しい競争は、財務内容や技術の特化ではないでしょうか。自分の失敗にかんがみて、そう思います。
時代は刻々と変わり、消費構造も変わっていきます。何よりもグローバル化時代です。私はグローバル化を自己流に、中小企業といえども国内競争に勝つだけでは生き残っていけない、国際競争にも勝たなければいけない時代だと解釈しています。中小がそこまで考える必要はないと考えるのは間違いです。世界はネットでつながっているのですから。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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