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    エーコープライン 巨大「農業物流」へ

    2007年11月5日

     
     
     

     全国農業協同組合連合会(JA全農)のグループ会社、エーコープライン(古川泰典社長、東京都千代田区)は12月1日から、「全農物流」に社名変更、グループの物流再編を加速するとともに新規事業の整備に乗り出す。現在、新会社のロゴマークを含め、新体制スタートに向けた準備を進めている。
     昨年3月に打ち出された「JA全農新生プラン」に基づく「子会社の全国一社化」「要員削減」および「コメ流通の環境変化」などに対応するもので、向こう5年以内を目標に各地の「くみあい運輸」などの吸収合併を完了。JA全農グループの物流を一手に引き受けることで、同社は保有車両1100台、売上高1000億円以上の巨大な「農業物流」企業に生まれ変わる。


     全農は、組合員農家への「戸配送」をはじめ、重要な物流サービスの局面で非効率な運用形態から「規定手数料を超える高コスト体質」が慢性化。農家、農協(総合農協)、県経済連といった組織構成上、配送拠点からの多段階、分散配送や過剰在庫など多くの無駄が発生する。
     特に物流人件費が多くの農協で物流コストの70%前後を占め、高物流コストの最大要因として合理化を急いでいる。「JA全農新生プラン」で、物流について「市場連動型運賃とその決定の透明性を確保した仕組みを有し、荷主に選択される全国域運送会社一社への再編」を基本方針に打ち出し、06年4月には「全農グループ物流戦略プロジェクト」を立ち上げ、物流関連子会社の競争力診断を行った。
     今年1月、農水省に提出した業務改善計画の進捗状況報告でも「全グループトータル物流会社」という表現で物流子会社の一本化を示したが、エーコープラインに特定せず、新たに物流新会社組成事務局を立ち上げ、さらに検討を継続。その結果、同社に一本化することとなった。
     エーコープラインは、全農の合理化方針の下、98年に宮城くみあい運輸を吸収合併し、仙台支店を設置。その後、目立ったM&Aはなかったが、05年に茨城くみあい運輸、06年に埼玉運輸をそれぞれ吸収合併。今年4月にはゼイエイ岡山運輸を吸収合併し、岡山県支店に旧ゼイエイ岡山運輸の施設を「西大寺センター」「倉敷センター」「津山センター」「岡山北部センター」として設置した。
     全農の物流関連子会社は現在、同社を含めて15社だが、関係者の中には「愛知、熊本、鹿児島、宮崎の4県ではそれぞれうまくいっているので合併はあり得ない」と指摘する声もある。ただ、残る10社については09年度から本格的にM&Aを展開し、5年以内に統一する見込みだ。
     吸収合併により新規事業も増加。例えば、茨城くみあい運輸の合併では「自家用自動車有償貸渡業」、埼玉運輸では「旅行業」などが加わった。今後も合併に伴う新規事業の増加が予測され、それらの整備・拡充にも力を入れるという。エーコープラインは現在、資本金12億4800万円、売上高541億7105万円(06年度実績)。M&A完了時には売上高1000億円以上の会社が誕生、業界地図が塗り替えられることになりそうだ。
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    ◎関連リンク→エーコープライン

     
     
     
     
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