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ブログ・青木 正一
第145回:得意先全体のフローを描けますか?
2008年9月26日
物流会社が荷主企業に対して提案書を作成・提出する際、多くの物流会社は新規・既存荷主にかかわらず「物流フロー」、いわゆるその提案の対象となる企業の「モノ」の流れを表したものを挿入する。
しかし、多くの物流会社は、その荷主のことをよく理解できておらず、部分的な流れを知るにとどまっていることが多い。これでは獲得できる仕事も獲得できない。物流会社は荷主の物流に対して、もっと視野を広げ、全体像を見るという習慣・訓練をしなければならない。
具体的には、物流会社の提案書に入っている多くの「物流フロー」は「出」が中心となっている。要するに、対象となる現場からの出荷、納品先までの輸配送を表したフロー図になっている。
では、これに何が足りないのか。主に(1)仕入れ、調達の「モノ」の流れ、(2)拠点間移動、横もちの「モノ」の流れ、(3)商流、情報の流れ、の3点である。
「そうか」と納得されている読者もおられるだろうが、言われてみればわかる、必要であるというレベルだ。しかし、荷主との面談の際、これらの情報を収集しておらず、「いざ提案」という時に、分からずじまいの「部分フロー」になってしまうことが多い。
受注にあたり、「ムダな部分を改善することにつながる」「現在、自社で行っている物流の部分をアウトソーシングしてもらう」「返品商品の保管、リサイクル業務を受ける」「3PL業者として一括受注を狙う」といった背景や狙いがあるにもかかわらず、「物流フロー」をはじめとして、情報不足の丸腰状態で営業活動を行っている場合が多い。
「物流フロー」を描けるというのは、先述のように情報収集ができているということであり、それを作成する過程で創造力を働かすことにつながっている。
提案営業にとって創造力の欠如は大きな仕事を逃がす、という残念な結果をもたらす。皆様の営業担当者は荷主の物流の「全体フロー」を描けますか。 -
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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