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ブログ・青木 正一
第159回:出荷検品の精度を高めるために
2009年1月2日
今回は、各現場で頭を痛めておられるであろう「出荷検品」について述べていきたい。
出荷検品に力を入れるとなると、その精度とスピードを上げることになるが、「検品」作業においては、特に精度が肝要となる。
多くの現場はダブルチェックを行っているが、その内容についても(1)誰が行ったかがわかるよう、チェック担当者のサインが記されているか(2)2回目のチェックは同一人物ではなく別の者が行っているか(3)少数で作業を行う場合が多い中、1回目のチェック者がそれぞれ入れ代わり、2回目のチェックを行うタスキ掛け型チェックを行っているか―をまず確認していただきたい。
現場では、命にかかわる商品や輸出品などの場合はトリプルチェックを行うこともあるが、基本的にはダブルチェックで十分だ。重要なのは(1)から(3)のようなチェックの中身である。
そして、最も重要な点がある。一般的に現場での検品は「外」に間違った商品、荷物を出さないという点に重点を置くが、さらに抜本的な解決として、チェック担当者の段階で食い止めることができた、または発見することができた「誤出荷予備軍」について、なぜ間違った商品・荷物がチェック担当者に届いたかという原因を突き止めること。
出荷検品は間違ったモノが「外」に出なければOKではない。「なぜ間違ったモノが出荷されようとしたのか」という庫内での理由を掌握することに大きなポイントがある。
これらをチェック担当者にピックアップしてもらい、管理者に原因を究明してもらう。また、その「誤出荷予備軍」の履歴と原因をしっかり文書やデータに残し、常に朝礼や昼礼・ミーティングなどで注意し、徹底させる。これにより問題点を共有化させ、意識づけるのである。
なお、ここでも注意点がある。「誤出荷予備軍」の原因究明を後で行う現場も多いが、これは全く意味をなさない。事故検証と同じで、時間が経てば作業環境が変わり、結果的に原因が分からなくなる。
クレームやミスの改善は、その場で即時原因究明にあたるという「鮮度」が最も大切である。 -
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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