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ブログ・青木 正一
第196回:「ムダ」より「ムラ」取りー2
2009年10月9日
「ムラ」というと、人のやる気のなさや感情的なイメージを持つ方もいると思うが、物流現場での「ムラ」は、能力の差による作業品質・スピードのバラツキ、(季節)波動などによる閑散期と繁忙期の物量・作業量の差、得意先・協力会社との具体的な取り決めのない臨機応変、その場しのぎの業務などを示す。
しばしば「作業品質の均一化」などと言われるのは、真にこの「ムラ」取りにあたる。では、どのようにすれば「ムラ」取りができ、解消されるのか。
それは、1・期限を決める、2・得意先、協力会社、他部署との継続的話し合いに尽きる。
1の「期限を決める」は、ダラダラと行っているから「ムラ」が出るのであって、例えばパートの作業品質においても休憩時間をきっちり設けること。人の集中力は平均2時間と言われているから、作業現場においても時間設定が重要であり、2時間を超えるようであればBGMを流す、また立ったままの作業を座る作業に変更するなどの工夫が必要である。
また、入荷のたびに作業の手を取られ、荷受けに対応しなければならない現場も多いが、入荷締切時間の設定とその厳守により、メリハリをつけることが重要である。
2の「関係する会社、部署との継続的な話し合い」とは、たとえば関係先の都合で待ち時間が発生したり、時間外受注の出荷業務を対応するなどといった「ムラ」を発生させている業務について集計を行い、データを持って話し合いの場を設ける必要があるということである。
「ムラ」の解消というと教育、トレーニングの実施や作業手順のマニュアル化、チェック、検品の強化、機械化の推進などが一般的には言われている。これらは効果に「ムラ」が出てしまうことも多いが、基本と言えるため付け加えたほうがよい。この記事へのコメント
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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