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ブログ・青木 正一
第197回:回収サービスが本格化
2009年10月16日
物流業界は以前から、回収業務について一定の認知度とニーズがあった。しかし、いよいよ荷主業界での回収業務・サービスが本格化し、それに対応する物流会社が忙しく動いている。
今まではカーゴテナーやパレットのように、主には副資材の回収業務を安価で対応してきたが、どうも「回収」そのものが荷主のビジネスモデルになっている場合もあるようだ。
その背景に、「回収からリサイクル」というフローが確立し、それをビジネスとして展開する荷主企業が参入してきたこと。そして、もう一つはコンプライアンス強化。特に個人情報の取り扱いによる情報漏えいへのセキュリティの高まりがある。
たとえば我々のクライアントでは、行政や金融など各出先機関への帳票類の発送・保管、そして記入・入力された書類の回収を行い、保管をする。そして、保存期限切れとなるとシュレッダーもしくは溶解処理を行うという流れのなかで、回収業者という業務が今ひとつ職種として確立していなかったため、最近では多くの物流会社が対応するようになった。紙などを含めた資源ゴミの回収についても同様である。
また、子供服のお下がりや古着などを回収し、全体の30%をリサイクル後に再販。残りの70%は輸出を行うといった企業の物流では、店舗や引き取り場所までの回収がメーンの業務となっており、年間数億円の物流費が支払われている。
そのほかにも、バイオエネルギー開発のブームによる食油の回収、後ろ向きな出来事ではあるが食品問題などによる回収、個人向け医療データの回収など、これらの業務は大半が物流会社の仕事となっている。
物流はそもそも「流す」だけでなく、「止める」こと、「回収する」ことも、その一つであるという原点に立てば、おのずと理解できるのではあるが。この記事へのコメント
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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