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ブログ・馬場 栄
第102回:アルコール検査について
2017年3月30日
アルコール検査の義務化が導入されてから数年が経ち、会社もドライバーもアルコール検査を行うことが当たり前のこととなってきているかと思います。
ただ、稀に社長から「ドライバーがアルコール検査を拒否してきた。どうすればいいか」といった相談があります。この場合、ドライバー本人にやましい気持ちがあり、検査を拒否していると考えられますので、もちろん、検査を拒否した者を乗車させてはいけません。
それでは、そのときの賃金は支払わなくてよいのでしょうか。多くの会社は、乗車しないのだから支払わなくてよいと答えますが、この判断で本当に正しいのでしょうか。
このとき重要となるのは、社員からアルコール検査実施の同意を事前に取りつけているかということです。事前に同意が取れていない場合は、給与の支払いについて問題が発生します。そもそも、検査実施の指導が誰に対して行われているのかというと、あくまで会社に対してであって、ドライバー自身を指導しているのではありません。つまり、ドライバーに対して検査を行わないことは会社への行政罰の対象となってしまうのです。会社としては、行政罰を避けるために検査拒否者は乗車させないのだから、賃金が発生するのはおかしいと考えるでしょう。
しかし、会社が受ける行政罰と、検査を拒否したから賃金を支払わないということは全く別の話になります。行政からの指導でも、拒否したドライバーの賃金に関してまで言及していません。
ちなみにこの場合、会社都合でドライバーを働かせなかったということで、その日の給与の全額、または就業規則で会社都合の賃金規定があった場合、60%は支払わなければならないでしょう。
このような事態を避けるために、最低でも事前にアルコール検査実施の誓約書、または同意書を取り付ける必要があります。さらに就業規則を改定し、検査を拒否した場合、懲戒処分の対象となること、欠勤扱いとすることについて言及することも大切となります。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄) -
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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