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ブログ・船井総研ロジ
第102回:土壌汚染対策ビジネス(5)
2011年7月19日
今回は具体的な土壌汚染対策技術についてお話します。
土壌汚染は揮発性有機化合物や重金属といった物質により土壌が汚染された状態を言います。一度汚れた土壌は簡単に綺麗にすることはできません。一般的に土壌汚染はショベルカー(バックホウ)で掘削し、廃棄されるという方法(掘削除去)が主です。しかし、この掘削除去はコストが高いということ、土が廃棄されてしまうため環境問題の解決にならないとして決して最適な方法とは限らないこともしばしば言われます。また、コストが高いということから、対策工事がなされず、塩漬けになった土地(ブラウンフィールド)の問題が懸念視されることとなりました。
そこで、土壌汚染対策会社は挙って対策技術を開発してきました。土壌汚染対策技術には様々な技術があります。汚れた土を水で洗い汚染物質とそうでない土を分級する方法(洗浄法)、鉄粉を加え汚染物質を分解する方法(鉄粉工法)、酸化剤を加えて、汚染物質を酸化分解する方法(フェントン法)などがその例です。その中で今注目が高まり、実工事での採用が増加している技術があります。それが微生物を利用し汚染物質を浄化する方法(バイオレメディエーション)です。
バイオレメディエーションとは対象土壌に元来生息する微生物もしくは、予め汚染物質に有効と認められる微生物を利用して土壌汚染を浄化する方法です。微生物の力を利用するため、多少の時間はかかるものの、建物が建てられていても工事が可能であったり、掘削除去に比べコストが安くなる傾向が高いというメリットがあります。場合によってはコスト比は2分の1以下になることもあります。
また施工実績の増加の背景にはその効果の有用性が認められてきたという点もあります。数年前まではその利用はまだまだ少なかったものの今では大手ゼネコンをはじめ様々な企業にてその開発が進むとともに対策工事が進められています。未だ稼動中の工場やガソリンスタンドでの工事も有効であるとともに、土壌汚染問題の社会的問題の高まりにより今後ますます注目が高まる技術です。もし御社のお客様が土壌汚染で悩んでいるのであれば一度ご提案してみてはいかがでしょうか。もしかすると解決の一光になるかもしれません。
(株式会社船井総合研究所・小川宏明)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は10年6月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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