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ブログ・船井総研ロジ
第336回:利益重視の意識を持たせる
2016年3月7日
拠点や配車部門、営業部門などの責任者に、利益重視の意識を持たせたいという経営トップは多いでしょう。そのためには、「予実管理表」などの会議資料から売上高の記載欄をなくすことです。予算も実績も利益表記にするのです。これが、売り上げ管理から利益管理に変える最も効果的な方法です。
しかし、この管理法を採り入れたときに問題になることがあります。車両費や人件費などの経費の額が拠点によって違ってくるため、部分最適の方向に行きやすいということです。経営側は全体最適の視点で車両や人員の拠点間移動などを行って、最適化を図ろうとします。しかし、それによって経費率が変わってしまう各拠点にとってはミクロな損得がかかっています。
この問題をクリアする方法は、〝粗々利(あらあらり)〟での管理を実行することです。粗々利高とは、売上高から、自拠点や自部門でコントロールできる原価だけを引いた金額を言います。例えば、重量物運搬・据え付けを得意とするI運輸社では、とてもシンプルに、「売上高ー外注費=粗々利高」として、営業担当者ごとに管理を行っています。こうして自社に残る利益の最大化を図っています。
また、一般貨物輸送を主とするS運送社では、「売上高ー(人件費+燃料油脂費+修繕費+その他経費)=粗々利高」と定義しています。〝その他経費〟は、全原価項目から各拠点でコントロールできる項目だけを抜き出したものです。
くり返しになりますが、ポイントは、会議資料から売上高の記載を完全になくすことです。粗々利高、粗々利率の当月予算・実績、累計予算・実績だけを提示し、話題に上げてください。そうすれば、否応なしに現場責任者は利益重視の意識に変わっていきます。
(船井総合研究所・橋本直行)
☆船井総研が運営する物流ビジネス情報サイト「http://www.ecologi.net」
※記事は16年1月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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