かの有名な「うまい、安い、早い」という吉野家のキャッチコピーは、
同社が顧客へ提供する価値を上手に表現しています。
ただし、これらは、普遍的に多くの顧客が求める３拍子の価値でも
あります。
ですから、今では、異業種を含め、同様のキャッチコピーを掲げる
企業も少なくありません。
しかし、我々は、これら３拍子のいずれかを超伸展させることにより、
圧倒的な差別化が図れることにも、着目すべきです。
ニッチですが、ほとんどの場合、そこには特殊な需要があります。
力相応一番化戦略の視点で見れば、中堅以下の企業が狙うには、
むしろそちらのニッチ需要の方が適している場合が、多いと言えます。
例えば、「最短３時間で印刷！名刺20枚￥1500～」と、スピード印刷
サービスを謳う、「すぐスール.com」というホームページがあります。
13時までに入稿すれば、その日のうちに顧客へ商品を届けることが
できる、即日印刷・納品サービスです。
できた商品は、１）顧客による来社引き取り、２）新大阪駅での
引き渡し、３）バイク便・赤帽の３つのうちいずれかの方法で、
納品されます。
「超はやいが、安くはない」というサービスです。
３拍子は揃っていませんが、「急に大量の名刺が必要になった」と
いった特殊な需要に応えており、注文が増えているようです。
貴社においても、３拍子のうちのひとつを伸ばして、圧倒的差別化が
できないか、考えてみてください。