仙台市の中心部から外れた過疎地に、売場面積80坪弱の小さな単店ながら、
全国600社超から視察依頼が殺到するスーパーマーケットがあります。
手作りで無添加の惣菜を独自固有の長所とする「主婦の店さいち」というお店です。
惣菜が、年商６億円のうちの約50％を占めています。
これは、業界的には、非常識に高い割合です。
この惣菜を30名のスタッフが作っています。
社長の佐藤啓二氏は、「惣菜の味には、実際に調理した人の気持ちが
ストレートに出る」と言います。
例えば、日常で嫌なことがあり、その気持ちを引きずっていると、
調理でミスが出やすくなり、おいしいものが作れないということです。
よって、彼女たちのやる気を引き出すことは、同店にとって、とても
重要な経営課題となります。
佐藤啓二氏は、「そのために実践している、最大にして唯一の方法がある」と
言います。
それは、『お客様の声』を聴かせることです。
同店では、お客様に「おいしかった」と言われた時は、作った本人を
お客様の所へ連れて行き、直接ほめてもらうのだそうです。
そうすると、スタッフは心底感激し、その思いをずっと忘れず、
やる気に満ちたパフォーマンスを発揮します。
そういう思いで作った惣菜だからこそ、強い支持を得ているのです。
貴社においても、できれば直接、不可能であればインタビューや
アンケート形式にて、お客様の声を社員に聴かせる機会をつくって
いただきたいと思います。

佐藤啓二著「売れ続ける理由」（ダイヤモンド社）
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