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ブログ・高橋 久美子
第135回:何でも運ぶ会社は…
2012年10月2日
新年明けまして、おめでとうございます。今年もこのコーナーでは、中小の運送会社、特にトラック20台以下の運送会社が、適正運賃で荷主を獲得していくための具体的なノウハウをお伝えしていきます。
実は私、先月に入院して手術をしました。甲状腺にできたゴルフボール大の腫瘍を摘出する手術です。幸い手術は無事に終了し、転移も認められなかったので、今、こうして元気に原稿を書いています。
今回、私の甲状腺腫瘍の摘出手術をしてくれたのは、40代の先生でした。手術当日までに、この先生以外に数人の医師と関わる機会がありました。20代の若い先生もいれば、ベテランの先生もいます。患者側としては、やはり手術は「ベテランの先生にやってほしい」と思います。
しかも、「この病気の専門家」で、何度も同じ手術の経験がある、ということになると、さらに安心感が増します。いくらイケメンで、やる気があっても、「この手術は初めてですけど、一生懸命がんばります!」というような若い先生の執刀では、患者としては不安です。
外科手術のような職人としての腕が必要な仕事では、やる気やチャレンジ精神ではなく、経験ある先生にお願いしたいと心から思いました。実際は冒頭に書いたように、40代後半で経験豊富な先生に執刀してもらい、手術は成功しました。
実は、これは運送会社を選ぶ荷主にとっても同じことがいえます。例えば、印刷業者は、紙の扱いに慣れた運送会社にお願いしたいと思っています。食品製造業者は、食品配送専門の、衛生的なトラックで運んでほしいと思っています。
ところが、多くの運送会社、特に中小の運送会社の経営者と話をしていると、「何でも運べる運送会社」が、いい運送会社だという価値観を持っている人がとても多いのです。荷主の要望には何でも応えて、どんな荷物にも対応できるのが、いいことだと思ってしまっています。しかし、実はこれは逆効果です。どういうことか、来週、詳しくお話ししていきます。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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