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ブログ・高橋 久美子
第142回:絶対にしてはいけない
2012年11月20日
先週は、北の宿からを例に「ライフサイクル」について学びました。全ての商品・サービスは、市場に誕生してから「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」という四つの期を経て、市場から退場していきます。昔はこのライフサイクルが長かったので数年先のビジネスの予測を立てることができました。
ところが現代は、全てのライフサイクルが短くなり、数年先のビジネスの予測が非常に立てにくくなっています。市場の急激な変化で、短期間で180度ビジネスの方向転換が必要になることもあるのです。
このような時代に我々中小の企業が、決してしてはいけないことがあります。それは、「借金」です。特に、長期の返済計画の大きな借金は、最もしてはいけないことです。理由は単純です。長期のビジネス計画を立てることができないからです。
たとえば、あなたの荷主が「この商品の需要が伸びているから配送だけでなく商品管理も一緒にお願いしたい」と言ったとします。昔だったら長期返済の借金をして倉庫を用意し、これをきっかけに倉庫業に乗り出すところです。ところが現代では、そうはいきません。「商品の需要が伸びている」といっても、3年先も同じように需要があるのか予測することができません。もしかしたら、明日にはまったく売れなくなる可能性だってあるのです。そうなったら大きな借金と倉庫が残るだけです。
ですから、あなたの荷主が、「この商品の需要が伸びているから、配送だけでなく商品管理も一緒にお願いしたい」と言った場合には、あなたは倉庫を購入するのではなく、安心して商品管理をお願いできる倉庫業者を「手配する」ことをお勧めします。重要なことなので繰り返しますが、「大きな借金」は、絶対にしないようにして下さい。
しかし、「借金をしなかったら、ビジネスチャンスを逃すし、事業を拡大することはできないんじゃないの?」という疑問が浮かんでくるかもしれません。来週は、あなたのその疑問にお答えしていきましょう。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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