• ブログ・高橋 久美子

    第285回:人は最後の印象を持ち帰る

    2015年8月24日

     
     
     

     先週お伝えしたように、お客と親しい関係にあればあるほど、気をつけないと、お客様の声の取り方を間違えてしまいます。
     善意のお客からの「改善案」を引き出してしまうのです。そして、その案が実現されないときには、お客は不満を抱えることになります。ですから「お気づきの点を教えてください」という質問は、絶対にしてはいけません。
     さらに、もう一つ、この質問をしてはいけない重要な理由があります。
     いつものように、飲食店のシチュエーションを想像してみましょう。あなたはその店で、おいしい料理を食べて楽しい時間を過ごしました。そして、食事の後にアンケートに記入しました。「お気づきの点を教えてください」というアンケートの問いに対して、善意の改善案を複数回答して帰りました。


     「もう少し日本酒の銘柄を増やしたほうがいい」「営業時間がもう少し長いと使いやすい」など、あくまでもお店のことを思っての改善案です。さて、この店を出た後、あなたはこの店に対して、どのような印象を持ち帰るでしょうか。
     実は、このアンケートに答えたことによって、あなたが持ち帰るこの店への印象は、「おいしかった」「楽しかった」ではなく、「日本酒の銘柄が少なかった」「営業時間が短かった」というものになってしまいます。なぜなら、人は「最後の印象を持ち帰る」からです。
     さらに、自分で文章を考えて、アンケートに文字を書くことで、その記憶はより強固に固定化されます。つまり、せっかくおいしくて楽しいという印象を持っていたのに、アンケートの質問の仕方が悪かっただけで、店に対しての記憶が「改善点あり」という記憶に変わってしまうのです。
     いかがでしょうか。「お気づきの点を教えてください」という質問が、いかに危険な質問か、あなたにも理解していただけたでしょうか。
     それでは、お客様の声を書いてもらうときには、どんな質問の仕方をすべきなのでしょうか。次回は、正しい質問の仕方について具体的にお話しします。

     
     
     
     

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    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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