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ブログ・高橋 久美子
第314回:良い人材を採用したいときにやるべきことは?
2016年3月7日
多くの中小運送会社経営者が、「良い人材を採用できない」という悩みを抱えています。どうすれば良い人材を採用できるのでしょうか。
それにはまず、採用よりも先に「辞めさせるべき人材に辞めてもらうこと」が先決です。ほとんどの人が「辞めさせるべき人材は…」と聞くと、誰かの顔が頭に浮かぶはずです。
利益を上げる方法も同じです。なぜかみんな、経営に困ると「新規荷主獲得」に目を向けるのですが、新規獲得よりも「赤字の既存荷主を切る」ことの方が利益増に直結します。赤字便の既存荷主に運賃値上げを申し出て、それに応じてもらえないのなら、その便はなくすことです。
ところが、まだ見ぬ新しい人材や、まだ出会っていない新しい荷主に夢を託し、見たくない現実からは目をそらしている人が、とても多いのです。なぜなら、現実を整備することには面倒が伴うからです。
たしかに、既存の荷主に値上げ交渉することも、それに応じてもらえない場合は切ることもストレスがかかることです。また、今の時代は、就労者側を守る規制ばかりが増えているので現在、雇用しているドライバーに辞めてもらうのは簡単なことではありません。
ですから、多くの人は面倒なことは避け、今あるものはそのままで、何かを「くっつける」ことで状況を良くしたいと思っているわけです。
しかし、多くの場合、現状がうまくいっていない根本的な原因は「何かがないから」ではなく、「間違ったものを抱えているから」である場合が圧倒的に多いのです。原因に対処しないで、新しい何かを入手したところで状況が改善することはありません。原因がなくなっていないのですから。
利益を上げたければ、新規獲得よりもまず、赤字便を解消する。良い人材を確保したければ、新規採用よりもまず、良くない人材を切る。面倒なことに先に手をつけた方が、結局は早く、しかも確実に状況が改善されます。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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