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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(248)人材教育
2019年6月24日
1.配車担当者育成の取り組み—配車日報の活用
⑦事故件数、内容(交通事故)
A社は安全性優良事業所(Gマーク)である。事故ゼロを目指すことはA社長の悲願である。その日のうちに分かる範囲で、ただちに事故内容を掴む。事故を起こしたドライバーは個人面談する。事故防止についてマンツーマンで指導していく。
⑧個人面談内容
クレームや交通事故を起こしたドライバーとは、必ず個人面談をすることとしている。ドライバー一人ひとりとは月1回、個人面談をする。配車の要望、給料についてや健康面、さらに色々な悩み(サラ金、家族のことなど)について聞くこととしている。すぐ解決できることはすぐにして、できることとできないことをはっきり伝えていく。
⑨職場ミーティング(安全会議、ドライバー研修含む)
月1回60分の職場ミーティングを定例化している。個人面談で判明した配車の要望について応えられるものは応えていく。定番テーマは燃費効率である。ドライバー本人が燃費効率を掴んでいる。目標の燃費効率に対して実績がどうであったか、ミーティングで話し合っていく。ドライバー研修は2か月に1回、外部の講師を招いて行っている。研修テーマは〝5Sの徹底と物流品質の向上〟ということで実施している。
⑩本日の収支状況(売り上げ、直接経費、直接利益、営業利益)
売り上げは自車と傭車の合計である。直接経費は傭車の支払い分、燃料費、有料代、車両費、ドライバーの給料である。売り上げ︱直接経費=直接利益となる。車両費は1台当たりいくらと過去のデータに基づいて一定額を計上している。修繕費、車検代、車に関わる税金、保険料が車両費である。ドライバーの給料は過去のデータに基づいて自車運送収入の○△%と設定している。直接利益から販管費(本社負担経費)を引いたものが営業利益である。販管費については、一定額を1日いくらとA社の実態に基づいて決めている。本日の収支状況を把握することが経営にコミットメントすることである。
⑪社長コメント欄
毎日の配車日報が社長のパソコンに送られてくる。社長が海外にいても必ず来るようにしている。必ずコメントを記入して返信している。
配車担当者は日々鍛えていく。日々の大切さ・重さがある。日々をやり過ごしては流されていくのみ。在庫がきかないのが物流業である。一瞬一瞬の積み重ねが物流業である。配車日報は生きた研修テキストでもある。運転日報はドライバーにとって日常活動の生命線である。配車日報は配車担当者の生命線、日々の格闘の記録でもある。配車日報は正しく活用することで配車担当者の育成、成長に貢献していく。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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