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    経営再生物語(275)人材育成について(2)A社の事例(3)

    2020年1月20日

     
     
     

     最後に反省として次の言葉でしめくくっている。

     

     「当社○○○に小集団活動が導入されて数年になりますが、歳月を重ねるごとに小集団活動の何たるかを知り、サークル活動の意義も理解してきました。私たち従業員も小集団活動と共に歩み、頑張ってきた数年でした。この間、仕事へのジレンマ、色々なことへの心の葛藤に落ち込む日々……。それは私たち一人ひとりがたどった試練の道のりだったのではないでしょうか。そして、年1回の、この発表会は、ともすればスリーピングしがちなサークル活動にカンフル剤としての刺激が与えられ、いい歯止めになっているのかもしれません。これからもコミュニケーションを大切にしたチームワークで、明るく楽しい職場と、お客様に満足して頂ける明るい店作りに努力していきたいと思います」

     Aさんの発表原稿は小集団活動の進め方の原則にふまえて、心のこもったものだった。ヘレンケラーという悪口にだまされて、無能力人間ではないかと軽視していた自分を恥じた。

     リーダーに任命されてAさんは、はりきったのだ。家に帰ってもご主人に色々と相談し、小集団研修も一生懸命に受講したのだ。自己の障害というハンディを乗り越えて、小集団活動のリーダーという職務にチャレンジしたのだ。

     Aさんの障害は、20年前の交通事故によって引き起こされた。この障害に負けず、ホール係として社会復帰されたわけである。人間成長の可能性は一人ひとりが持っている。人を決めつけて表面だけで判断してはならない。

     Aさんは、ハンディに負けることなく、働ける喜びをベースとして小集団活動のリーダーに任命されたことをきっかけとして、成長力を示されたのである。「人は化ける」とつくづく実感させられた。

     人材育成にとって大切なのは、人間成長の可能性を信じることで、決してきめつけたり、諦めたりしない精神の存在である。

     今回紹介したのは、実際の小集団活動の事例であるが、この事例でもわかるように、目標を持って確実に実行すれば成果はあがる。

     オーダーミスやテーブル番号ミスは激減したのだ。しかも、その活動プロセスの中で、立派に人間成長の可能性を開いていった人材育成が成し遂げられたのだ。以上。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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