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ブログ・小山 雅敬
第125回:会社を辞めていく社員への対応は?
2018年2月27日
【質問】最近、会社を辞めていく社員が増えており、その対策に頭を悩ませております。入社する社員以上に辞めていく社員が多く、社員数の減少傾向が続いています。何か打つ手はないでしょうか?
「最近辞めていく社員が増えて困っている」との相談を受けることが多くなってきました。人手不足の影響で、各社が求人対策にしのぎを削り、求人広告上で一見、魅力的な条件で募集をかける会社が増加したことが、その背景にあるものと思います。
簡単に退社する社員を定着させるには、労働条件や労働環境の改善も必要ですが、辞めていく社員に退社理由を聞くと、会社内の人間関係を含む「働きやすさ」の改善のほうが重要であることがわかります。毎日声を掛け合うコミュニケーションの良い職場は、仲間意識が高まり、簡単に辞めてしまうことはありません。
一方でコミュニケーションの乏しい職場では新入社員が孤立し、早々に退社する傾向が見られます。退社防止の対策として、まずは新入社員の指導役を決め、1〜3か月間相談相手を務める仕組みを作らなければなりません。そして社長以下幹部社員全員がその指導役と本人を積極的にフォローする体制を作ることです。社員数が多い会社では、新入社員であることが一目瞭然で周囲にわかるように、ヘルメットの色を変えるなど、周りの人がすぐに気づき、声がけや気遣いができる体制を作るべきです。会社はコミュニケーション向上のために必要な飲食代であれば、一定額まで補助する仕組みを検討すべきでしょう。
このような定着対策を推進する一方で、辞めていく社員がまた戻りやすくするような仕組み作りも重要です。退社する社員は再入社の可能性がある社員とも言えるからです。退社する社員は「次の会社に馴染めるだろうか」と不安を持って辞めていきます。その時に「残念だが、次の職場でも頑張ってくれ」「いつでも戻って来いよ。待っているよ」と声を掛けられ、「再入社優先カード(※)」を貰うと「また戻っても良いのだ」と安心します。(※「再入社された場合、あなたが慣れた仕事に試用期間なしで働くことができます」と書かれたカード。退社時に渡すことを推奨)そして実際に戻ってくる社員が多いのです。また、辞めた後に、その会社を残業代未払いなどで訴えるようなこともしません。再び世話になる可能性がある会社だからです。労務トラブル対策にもなりますので、一石二鳥です。試してみてください。
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筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
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