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ブログ・野口 誠一
第100回:失敗しないための戒め15か条 労務管理のルーズな経営者は従業員にバカにされると心得よ
2004年11月1日
「失敗しないための戒め15か条」の第6条は、「労務管理のルーズな経営者は従業員にバカにされると心得よ」である。
労務管理は経営の基本である。にもかかわらず就業規則すらなかったり、あっても守られていない中小企業が少なくない。いくら売ればいい、造ればいい、儲かればいいとばかりに従業員の尻を叩いても、業績・生産性は上がらない。といっても従業員の自主性、主体性を過度に尊重すれば、確実に組織から規律、秩序が失われていく。遅刻・早退が増える。直行・直帰が多くなる。これでは座して倒産を待つに等しかろう。人はとかく易きにつきやすい。拘束より自由を、困難より安易を求めたがる。ゆえに労務管理が必要になる。従業員をどこでも通用する社会人に育成するのも、経営者の責務であろう。
このところ教育論議がかまびすしい。昨年末、日本の子どもの「学力低下」を示す国際調査が相次いで公表されたからである。が、それほど驚くにあたらない。3年前「ゆとり教育」の名のもとに、学校の週休2日制、学習内容の3割削減を導入したときから、当然予測されたことである。勉強しなくなれば学力が落ちるのは当たり前、起こるべくして起こったことであり、「ゆとり」が「ゆるみ」を招いた結果と言っていい。
経営も同様である。労務管理や社員教育を怠れば、従業員の規律はゆるみ、なまけや手抜きにつながっていく。中小企業だけのことではない。最近、大企業の工場火災や爆発事故が後を絶たない。放射性物質をバケツで運んで被爆死事故を起こした会社は、ついに倒産を余儀なくされた。
労務管理のルーズさがゆるみやたるみにつながったのでなければ幸いである。体力のない中小企業にとって、こうしたゆるみは倒産に直結するだけに許されない。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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