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ブログ・野口 誠一
第89回:倒産する人・しない人15か条 自分の甘さを克服できるか否か
2004年9月29日
「倒産する人・しない人15か条」の第12条は、「自分の甘さを克服できるか否か」である。
倒産はすべて経営者の甘さから起きる。八起会のなかにも、だまされたり詐欺にあったり、安易に儲け話に乗ったり連帯保証人になったりと、甘い体質を衝かれて倒産を余儀なくされた会員が少なくない。そこまででなくても、社員教育やリストラに腰がひけたり、手形や借り入れに無警戒だったりと、小さな甘さが大きな墓穴につながる例は枚挙にいとまがない。
ただ、ひと口に甘さといっても、甘い経営者は自分を見つめる目も甘いので、なかなかその甘さに気付きにくい。そこで必要になるのが自分の甘さを指摘してくれたり、気付かせてくれる「他人」である。私が講演や執筆で「師匠をつくること」と、「自分よりもレベルの高い人たちと交わること」を強調するのも、そのためにほかならない。
わが会員で見事に自分の甘さを克服した2人の例を紹介しよう。1人は倒産経験者だが、もう1人は創業から順調に「継営」を続ける経営者である。
前者は倒産後、その原因が自分の計数管理の甘さと、数値をすべて経理マンに丸投げしていたことにあったと気付き、倒産してから夜間の簿記学校に通って自らの甘さを克服し、見事に再起を果たした。
一方、後者は毎晩 「甘さ日記」を付けている。その日あったことをすべて反省し、そのなかに経営者として甘さがあればそれをメモに残し、2度と同じ過ちを繰り返さないように自戒している。たとえば「社員のミスはその場で注意すること」とか、「今日は得意先に妥協しすぎた。次は改めるべし」というようにである。この「甘さ日記」は大いに参考とすべきであろう。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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