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ブログ・野口 誠一
第90回:倒産する人・しない人15か条 過ちを即座に改められるか否か
2004年10月2日
「倒産する人・しない人15か条」の第13条は、「過ちを即座に改められるか否か」である。
論語に「過てば則ち改むるに憚ることなかれ」という言葉が2度、「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」が1度出てくる。いずれも君子(リーダー)の在りようを説いたものだが、孔子が3度も言葉を費やすというのは、いかに自分の過ちを認め、改めることが難しいかを意味していよう。
世にワンマン経営者は少なくない。自分の過ちをいっさい認めず改めず、社員や周囲を意のままに従えようというタイプである。が、お山の大将はいずれ裸の王様へ、そして倒産へと転落していくしかない。そこを避けるには、前回も指摘したように、自分よりレベルの高い人たちと交わり、常に自分を相対化しておかなければならない。実は孔子も前記の言葉の前に「己に如かざる者を友とすることなかれ」(自分よりレベルの低いものを友としてはならない)と記している。自分よりレベルの低い人たちと交わっていると、いつしか自分を絶対化してしまうからである。
私は常々「頑固は敵・素直は味方」と説いている。頑固はよけいなメンツやプライドを増幅させ、唯我独尊タイプのワンマンにつながりやすいが、素直は他人の助言や忠告を受け入れ、自分の過ちを抵抗なく改められるからである。この差は実に大きい。たとえば、耳寄りな情報や有力なビジネス話があっても、それは頑固を素通りして素直に集まる。どちらが倒産に近いかは明らかであろう。
経営者であればあるほど、頑固を慎まなければならない。私たちは集まりのたびに「八起五則」を唱和しているが、その五則とは、「早起き」「笑顔」「素直」「感謝」「いい出会い」である。経営者は「素直」がいちばんなのである。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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