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ブログ・野口 誠一
第96回:失敗しないための戒め15か条 お人好し体質を改善しろ
2004年10月20日
「失敗しないための戒め15か条」の第2条は、「お人好し体質を改善しろ」である。
人柄のよいこととお人好しは、表面的には似ているが、本質的にはまったく異なる。人柄のよさは尊敬の対象となり得るが、お人好しは侮られるだけである。経営者がこの2つを混同したり、お人好しを褒め言葉と解するようでは先が思いやられる。
お人好しの3大特徴は、(1)外面がいい、(2)頼まれごとを断れない、(3)人の話をすぐ信用する・・・である。
この3つが揃った経営者はまず倒産を免れない。外面がいいということは、人につけこまれやすいことを意味している。誰しも外面と内面をつかい分けながら生きているが、経営者に限ってはその落差を最小限にとどめ、詐欺や誘惑を近づけないようにする必要がある。
また、人に何か頼まれて「NO」と言えない経営者も危うい。事実、「手形を貸してくれ」などという依頼を断り切れず、倒産の憂き目を見た例は枚挙にいとまない。手形も保証人も、「自分の借金である」という自覚と覚悟と返済能力がない限り、たとえ親兄弟の頼みといえども断るぐらいの勇気が必要であろう。
一方、人の話をすぐさま信用してしまう経営者も危ない。経営者のところには、さまざまな儲け話が舞い込んでくる。その1つひとつにとびついていたら、本業はないがしろになるし、それ相応のコストもかかる。「必ず儲かる」話など、どこにもない。もしあるとすれば、それはその話をもってきた人だけが儲かるにすぎない。バブルの時、銀行や証券会社が持ち込んでくる不動産や財テク話にとびつき、多額の債務を抱えたり、倒産を余儀なくされた企業は数え切れない。
倒産を避けるには、自分のお人好し体質を改善するしかない。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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