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ブログ・野口 誠一
第392回:一難去ってまた一難
2012年12月24日
(設備投資に連鎖倒産の危機が重なり、Aさんは倒産寸前まで追い込まれるが、持ち前の読みと粘りで乗り切っていく)
──3億円の設備投資に1億6800万円の不良債権が加わり、一時は私もどうなることかと途方に暮れました。世間では当社が潰れるだろうとの噂がしきりに飛び交い、設備投資の工事に入った業者も浮き足立つありさまです。私は即座に資金繰りのメドをつけ、業者を安心させ、工事を続行させました。
翌平成14年、すべての工事が終了し、私は新しい事務所に移って新規まきなおしを図りました。その努力の甲斐あって経営は順調に推移し、6年後の平成20年、例の1億6800万円は完済できました。
ところがホッとしたのも束の間、一難去ってまた一難です。リーマン・ショックです。この「100年に一度」の金融危機で当社の受注は激減し、平成21年2月の決算で4500万円の赤字に転落してしまいました。一時的な落ち込みなら、内部留保を取り崩してもなんとかなりますが、私は今回の「100年に一度」に不気味なものを感じました。それは、何度か危機を乗り越えてきた私の嗅覚のようなものだったかもしれません。
そもそも震源地はアメリカです。住宅バブルの崩壊がきっかけです。サブプライムローンを組み込んだいかがわしい証券化商品が、世界中の金融機関にバラまかれた結果、リーマン・ショックにつながり、世界中から需要と生産が一挙に失われ、世界同時不況とささやかれました。
世界同時不況となったら、私ども中小企業はひとたまりもありません。私はその予感を感じ、次のステップを考えました。
(Aさんが考えた次なる展開とは何か)この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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