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ブログ・鈴木 邦成
第623回:『トコトンやさしい物流現場改善の本』
2024年10月31日
拙著『トコトンやさしい物流現場改善の本』(鈴木邦成著、日刊工業新聞社)が出版されました。
「現代経営のカギを握るのは物流」という時代になりました。いかに高性能、高品質の商品を開発、販売しても、物流が疎かにされれば、経営的な窮地に陥るということも少なくありません。物流ネットワークを効率的に構築していかなければ、企業競争を勝ち抜くことはできないのです。
この流れを受けて、物流現場の改善にもそれまで以上に関心が集まることになりました。物流コストの低減や在庫圧縮、さらには大きな社会問題ともなっているトラックドライバー不足などの対策として求められる働き方改革やホワイト物流の推進や、環境にやさしい物流システムの構築も求められているのです。
製造業も小売業も物流現場改善を推進していくことが社内共通の認識となってきたのです。
また、高校や大学の授業でも物流について取り上げられることが増え、「物流現場改善」を理解することがネット通販などの最新のビジネスモデルを理解するうえでも欠かせなくなりました。
本書の構成は、次のようになります。
第1章「物流現場 基本のき」で、物流現場の現状を説明します。トラック、フォークリフトなどが往来し、倉庫から物流センターへと進化した物流現場でどのように実務が行われているのかということを最新のアングルから解説していきます。
第2章「物流現場改善って何をするの?」では、「物流現場の改善前と改善後がどのように違うのか」「物流現場改善の狙いはどのような点にあるのか」、さらには「どのようなポイントを優先させて物流現場改善を行えばよいのか」といった物流現場改善の基本をわかりやすく丁寧に解説します。
第3章「輸送現場の改善ってどうするの?」では、物流現場のなかでも輸送部門の改善に焦点を絞り、トラック、船舶、鉄道、航空機などの異なる輸送手段の物流における特性をくわしく説明し、輸送部門における現場改善の方針や方向性、改善事例をわかりやすく説明します。
第4章「工場現場の物流改善ってどうするの?」では、工場起点の製造業の物流現場改善について、生産計画や生産管理との関係や複雑な部品在庫などの管理をジャストインタイム(JIT)などとの関係もふまえて、わかりやすく解説します。
第5章「倉庫・物流センター現場の改善ってどうするの?」では、ネット通販市場の拡大などを背景に広がる小売業や卸売業の最新の物流センターにおける現場改善の流れを解説し、あわせて物流現場改善の考え方や事例をわかりやすく説明します。
第6章「包装・梱包・荷姿の改善ってどうするの?」では、物流包装に必要な段ボール箱、通い箱、パレットなどの役割を解説し、それぞれの特性に合わせた改善方法を解説します。標準的な寸法を理解し、ITツールなどと組み合わせて活用することで現場改善の効果が大きく増幅されることになります。
第7章「物流現場の人材教育ってどうするの?」では、労働力不足が懸念されている物流現場で「どのように人材教育、現場研修などを行っていけばよいのか」「物流現場改善に必要な資格にはどのようなものがあるのか」といった疑問に対してわかりやすく答えていきます。機械化に進む物流現場ではこれまで以上にエンジニアや経営的な視点を持った人材が求められているのです。
第8章「これからの物流現場改善ってどうするの?」では手作業中心だった物流現場がITやDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入、さらには省人化、自動化、無人化などに進む大きな流れのなかでいかに変化していくのかをわかりやすく解説します。これからの物流を考える大きなヒントが得られるように、物流現場で展開されている大きな変化を丁寧に説明します。
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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