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製品・IT
ブリヂストン 新技術でリトレッド2回可能に
2012年10月10日
「とんでもないものができた」──。
9月7日にブリヂストンが開いたトラック・バス用タイヤの新技術の発表会見で、生産技術基礎開発担当フェローの川合誠一郎氏は大きく胸を張った。
新技術が実用化されると、日本国内では一般的に1回しかできないとされるリトレッドが2回可能になり、タイヤの寿命が実質5割延びるという。
タイヤコストの大幅な抑制が期待できる今回の新技術は、同社が買収したリトレッドタイヤ大手のバンダグ社が持つ技術の応用研究を推進した過程で誕生したもの。通常、新品タイヤは全ての材料を一度に加硫することで製造されるが、リトレッドタイヤは、別々に加硫されたケース部分(一次寿命を終えたタイヤ)とトレッド部分(路面と接するゴム)を、後から貼り合わせる方式で製造する。
同社ではこの基本的な製造方法の違いに着目し、ケース部分とトレッド部分をそれぞれ最適な条件で製造することで、タイヤの総合性能が大幅に向上することを発見。同フェローは、「瓢箪から駒」と笑いながらも、「各部門が本気になったことで、画期的な技術開発に成功した」と自信を見せた。
さらに、ケース部分とトレッド部分に新たに開発したコンパウンドを搭載することで、「既存製品とは別次元の転がり抵抗の低減とリトレッド可能回数を増やす耐久性向上を実現した」(生産財グローバルマーケティング戦略本部長の杉山鋼児氏)。現在は、「実証評価中」としながらも、「従来の技術では到底、到達できない性能を獲得している」(同)。
同社ではコスト、資源、CO2の3つを同時に削減できるという意味を込めて、この新技術を「TRISAVER(トライセーバー)」と命名。同じく開発を進めるタイヤ管理の新しいITシステム「Tirematics(タイヤマティクス)」と組み合わせ、新たなビジネスモデルとして数年以内の製品化を目指す考えだ。
◎関連リンク→ 株式会社ブリヂストン
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