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製品・IT
ナビタイムジャパン 運送向けサービス拡充「トラックカーナビ」
2016年6月10日
ナビタイムジャパン(東京都港区)が、運送業界向けサービスを拡充し注目を集めている。なかでも、3月末から提供を開始したAndroidOS向けアプリ「トラックカーナビ」は、関東地方1都6県の大型車に関連する交通規制が網羅されており、ドライバーからの評価が高い。
大西啓介社長(写真右)は、「当社の乗用車向けアプリユーザーの約3割が大型車設定をされたドライバーということが分かり、社会貢献性を重視してトラック向けに取り組んだ」と開発の経緯を説明。「公的機関から取り寄せた関東エリア1万5000か所のデータを、相当な人手とコストをかけて入力した」と、その仕上がりに胸を張る。
開発部の大谷俊介部長(同右)は、「車高・車幅・重量などの制限による通行止めの区間を地図上に落とし込んでおり、登録車種に応じて、通れる道と通れない道がひと目で分かる」と説明。「車幅と長さを考慮し、交差点を曲がり切れるかどうかも計算したうえで、通れる道のみを選択した経路を表示する」。
検索できるルートは「推奨」「高速優先」「無料優先」「超渋滞回避」の4種類で、「リアルタイムの渋滞情報も考慮し、最適なルートを提示できる」。開発の際には、「初心者のドライバーの方でも分かりやすく、運行計画を立てやすいようにと心掛けた」という。
さらに、コンビニの駐車スペースやトラックステーション、シャワーを浴びることのできる給油所といった休憩施設のデータに加え、通行できるかどうかを確認するための航空写真による地図表示も可能。同社長は、「即日配達のニーズが高まり、出発から到着までの時間がどんどん短くなってきている。経験が浅いドライバーの方でも、『ナビの指示通りに走れば時間通りに着く』という安心感を提供したい」と狙いを話す。
同アプリのダウンロード及び利用は無料。現在は関東版のみの提供だが、「今夏には対応エリアを日本全国に拡大し、それ以降は有料での提供を予定している」とし、「4月21日からは熊本県と大分県で地震対応への支援として先行対応している」という。
同社では、PCとスマホを活用した「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」でも運送事業者を支援している。このほど追加した「配車サポーター」機能は、複数車両の合計の総走行距離と所要時間を比較しつつ、地図上で巡回経路やエリア重複などを確認しながら、配車計画を簡単に組み換えられるというもの。車両ごとに作成し、訪問順を入れ換える従来の機能とは異なり、地図上で複数車両の配車計画を比較できるため、全体での効率的な配車組みが可能になる。
また、ベテランドライバーがよく通るルートを優先して案内する機能など、細部にわたって工夫が施されている。大谷部長は「土地勘がなくてもナビを使って走ってもらえれば、早めに着き過ぎて時間をつぶすということもなくなり、配送件数を増やせるはず」とアピール。大西社長も、「ドライバー、管理者の皆さんに安心して使ってもらえるようになれば、渋滞も減り、荷待ち時間のアイドリングが減ってエコにもつながる。ドライバー不足の課題解決にも役立つはず。ぜひお使いいただきたい」と語る。
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