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製品・IT
日本ラッド クラウド型IT点呼システム
2016年8月25日
日本ラッド(東京都港区)は6月から、IoTプラットフォームとアルコールチェッカーを活用した運送事業者向けクラウドソリューション「Smart Vehicle Cloud(スマートビークルクラウド)〜IT点呼〜」の販売を開始した。IoTソリューション事業部の平井強事業部長(写真中央)と、同営業部の宮原浩幸課長(同左)、土山剛執行役員(同右)に話を聞いた。
ハードウェア開発を中心に手がけてきた同社では、ソフトウェア技術に関しても蓄積を重ね、近年はクラウド基盤の整備に力を入れてきた。平井部長は、「その基盤の上にアプリケーションを乗せ、ソリューションとして提供している」と説明。そのなかでシリーズとして運送事業者向けに開発したのが、「スマートビークルクラウド」シリーズだ。IT点呼は、同シリーズ内の1機能として提供する。
アルコールチェッカーは、イタリアの2045TECH社の「FLOOME(フルーミィ)」を採用。モバイル用で、スマホのヘッドフォンジャックに専用ケーブルを接続し、Android上で操作できる。メンテナンスフリーで、「校正は年1回程度、センドバック方式で行う」という。価格は「2万円から2万5000円程度を予定しており、安価なのも強み」(同)。
スマホのアプリ上で、ドライバーIDや車番、配送先等の運行情報を入力。運転免許証のICチップをスマホで読み込み、本人認証を実施。スマホのカメラで撮影しながらアルコールチェックを行い、その結果がサーバー側に送られる仕組み。結果判定を受け、管理者側で承認されると、そのまま運行開始となる。
宮原課長は、「免許証によるドライバーの個人認証もあり、なりすましはできない」と説明。また、「万一、不合格となった際、ドライバーにどのような指示を出すかといった対処方法についてはユーザーの要望を聞きながら構築していく」と話す。
Gマークを取得した長距離輸送を展開する事業者をターゲットとしている。宮原課長は、「クラウドで遠方での点呼データを一元管理できるのも特長。ユーザーと会話を重ねて作り上げたので、現場ニーズに適っているはず」と自信を見せる。
価格は、初期費用として1拠点10万円。月額費用が同5000円。アルコールチェッカーは別途購入となる。土山氏は、「単価が安いことに加え、メンテナンスの簡易さも強み」と強調。「校正費用は検討中で、レンタルでの提供も視野に入れている」と付け加える。
「スマートビークルクラウド」については、IT点呼の機能だけでなく、「これからさらに拡充させていく」という。「デバイスと連動させることで、『かゆいところに手がとどくような』サービスを提供できれば。動態管理などの機能追加も検討している」という。
「クラウドという観点から、新しい視点でモノを作っていく」と今後の展開を語る平井部長。「設備投資を抑えられるのがクラウドの持ち味。『楽』という入り口で間口を広げ、これから認知度を上げていきたい」と意気込む。
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