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製品・IT
アップコン 松藤展和社長 倉庫床の沈下や傾きを解決
2016年12月27日
倉庫業の経営者が抱える悩みの一つとして挙げられる、倉庫床の沈下や傾き。この問題の解決策として、既設コンクリート床に1円玉よりも小さい直径16mmの穴を1m間隔で開け、ミリ単位でウレタン樹脂を注入し、押し上げるという独自の技術を提供しているアップコン(神奈川県川崎市高津区)の松藤展和社長に話を聞いた。
「じわじわと床が沈み始め、気づいた時には床の傾きによる体調不良や、フォークリフト運行の妨げとなるなど、業務に支障をきたすほどになっている」という同社長。また、「少しの傾きでパレットの積める段数が少なくなる。床が波打っている場合、フォークが物を落としたり、止まりきれずに壁に激突するケースもある」と危険性を指摘。同社の名を冠したアップコン工法は「そういった悩みを短時間で修正できる」としている。
通常、床の沈下や傾きを直す場合、沈下したコンクリートを一度剥がし、再度新しく打設する「コンクリート打ち替え工法」をとることが多いが、事前に荷物を運び出し、別の場所での操業を余儀なくされる。「荷物の搬出などを含めて、工期は大体2〜3か月かかることが多い。その間、慣れない場所での仕分けや出し入れは従業員にとっても負担が大きい」
これに対して同社の工法は、「わずか10分の1の工期で、荷物はそのままでも施工でき、作業中でもフォークを使った業務が可能。従業員の負担も軽減できる」という。また、「担当作業員が常時監視することで、1mm単位の精度で床を押し上げることができる」ともしている。
「専用車両1台と作業員4人で施工した場合、1日に約150平方㍍を修正できる」とし、現状は1日6台まで対応可能。「来年には7台目の車両が完成予定。今まで以上に全国どこでも対応していきたい」と語る。
コストは、1平方mあたり約1万〜1.5万円。「従来の工法と比較し、荷物を運び出す手間やコストも考慮して検討してほしい」とし、「CO2の排出量も、従来比で90%以上削減できる」という。
松藤社長は、「テナント企業は倉庫を選ぶとき、傾きがないかをきちんと見ている。できるだけ長く倉庫をそのまま利用したいという倉庫オーナーの要望に、真摯に向き合っていきたい」と熱く語った。
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