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製品・IT
クラボウ リスク管理システム開発、運送業の熱中症予防対策に
2017年4月26日
クラボウ(大阪市中央区)は、熱中症予防対策に特化したリスク管理システム及びスマート衣料の開発を開始する。今年5月から運送・建設会社の協力のもとモニター調査を実施し、平成30年度の実用化をめざす。
3月22日に記者発表会を開き、技術部長の平田政弘氏、営業統括部長の川頭義人氏のほか、共同開発である大阪大学大学院基礎工学研究科准教授の清野健氏、日本気象協会関西支社担当部長の田口晶彦氏らが出席。平田氏は「時代のニーズに対応するため開発に着手した」と述べ、清野准教授は「最新のシステムを活用して、より現代的で効果的に予防できるよう、今回の共同開発では、安全な社会の実現に生かしていこうと開発を進めている」と決意を示した。
取り組みの経緯では、地球温暖化による気温上昇や就業者の高齢化比率の増加などにより熱中症による死傷者数が増加傾向にあるとし、一方で作業者の体調管理は基本的に自己管理が中心のため、企業が作業者個人レベルでのリスク管理が十分にできていないと指摘。そこで同社は、各作業者の個別の健康状態などをピンポイントで数値化し、熱中症リスクを高精度かつ客観的に評価・予測する管理システムの開発に取り組む。
同システムでは、心拍センサーなどを備え付けたスマート衣料から作業者の心拍数や体表温度などの生体情報を取得し、気象情報や各地域での緊急搬送情報を融合した独自のアルゴリズムで解析した新指標をもとに、リアルタイムに熱中症のリスクを予測。取得したデータはクラウドサーバーに自動送信され、解析結果を現場管理責任者および作業者個人にリアルタイムに伝達され確認することができる。
まずは、屋外での作業が多い運送業・建設業の熱中症予防対策にターゲットを絞り、取り組みに賛同した9社の協力のもと5月から200人規模のモニター調査を実施。作業者はスマート衣料を着用し、夏場の作業環境下でのデータ収集を行い、平成30年度の実用化をめざす。
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