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製品・IT
EMCC エンジンかけずに車内でクーラー
2017年8月29日
エンジンをかけずに車内でクーラーやヒーターが使える車載器販売を手掛けるエバスペヒャー ミクニ クライメット コントロール システムズ(以下EMCC、神奈川県小田原市)の角幸一社長は、約30年間、自動車部品を様々な車両メーカーに提供する仕事で、欧米を中心に海外を飛び回ってきた。EMCCは、ドイツで約150年の歴史を誇る自動車部品メーカーであるエバスペヒャー社と、キャブレターで名を知られる日本国内一部上場企業のミクニが50%ずつ出資した合弁会社で、設立して5年。角社長は「もともと海外ビジネスに興味があり、海外生活もしてきた。縁あってEMCC立ち上げの話をいただき、まったくの新しい会社でのチャレンジングな仕事であること、海外経験を生かせる仕事であること、何より取り扱う製品が環境保全に大きく貢献するものであったことが動機になり、原動力になった」と話す。
「日本もようやく環境への関心が高まってきたように思うが、欧州は特に環境に対する意識が高い。英国に20年以上前に住んでいた時、空き瓶の回収一つとっても、何の見返りもないが、色分けまでして出すのが当たり前だった。当時のドイツでもゴミの分別は既にやっていた。日本も観光地に限らず、市街地はすごくきれいで、欧米と比べてもゴミの放置はとても少ない。これは〝おもてなし〟の文化のたまものだと思うし、環境対応車などの環境技術も最先端。この心と技術は日本の宝だと思う」と述べる一方で、「高速道路のパーキングエリアに行った時、多くのトラックがエンジンを掛けっぱなしで休憩していたのには驚いた。欧州や米国の一部の州ではアイドリングは一切禁止で、違反行為として取り締まりの対象になっているほど」という。
しかし、日本でクーラーもヒーターも不要な季節は短い。「だからこそ、アイドリング・ストップしてもクーラーやヒーターが使える機器があることを知ってほしい」と角社長。EMCCが取り扱うクーラーやヒーターは、エンジンを掛けたまま使った場合と比較すると、年間21万円以上も燃料経費が削減できるという。「経費が安くなって環境にも良い。新車購入時点のリースで考えれば初期費用もほとんどかからない」と説明。
EMCCでは、ドイツから送られてきた製品を日本仕様へと手を加え、独自に社内施設で耐久テストを繰り返し、角社長自身も確認し自信をもって提供している。さらに新製品も登場し、全ト協から導入助成対象商品にも認定されている。
「休日には街中の景色を見ながらジョギングをする」という角社長。自社の社員にも「自分の子供を含め次世代に地球を引き渡す、とても価値あることをしているというプライドを持ち、チャレンジングな取り組みで仕事をしてほしい」と語る。関連記事
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