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製品・IT
タイガーユーザー会 働き方改革など講演
2017年11月16日
物流ソリューションを展開するタイガー(竹添幸男社長、東京都千代田区)は10月12日、第7回タイガーユーザー会を開催。物流業界が直面する「働き方改革」に関するセミナーや、同社の扱うクラウド製品が紹介された。
同会では、コヤマ経営(東京都中央区)の小山雅敬氏による「最近の法改正の動向とトラック運送業への影響」と、国際政治アナリストで朝日新聞社前社長の木村伊量氏の「グローバル時代のリーダーシップとは?ー異業種交流・他流試合のすすめー」と題したセミナーを行った。
小山氏は、近年の「働き方改革」について、「非正規雇用の処遇改善や賃金引き上げ、長時間労働の是正が特に重要なポイント」と挙げる。「賃金は、特に首都圏では毎年上昇している。1月の『労働時間適正把握ガイドライン』では、着替えや清掃にかかる時間はもちろん、『手待ち時間』についても、労働時間と定義づけられた」とする。「車両や荷物などの監視義務がなく、次の作業時刻が決まっていれば、『休憩時間』とできる。時刻をドライバーに伝えることで、荷主側にとっても、待機時間の削減につながる」と解説する。
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」に関しては、使用者が労働者の始業・終業時刻を『自ら現認する』ことが求められるが、「実際に、ドライバーの出社や帰社を目視することは難しい」。このため、「デジタコなど客観的な記録を適正に記録することが必要となる」とし、「その記録が正しいという根拠が提示できるようにすべき」と述べる。
また、労働基準関係法令違反企業の社名公表も、「36協定違反がほとんど」と指摘。「現場では、給料が減ると困るなど、残業に対する考え方が経営者と異なる場合もある」と話す。
「そこで必要になるのが、荷主への交渉」という同氏。「11月4日に運送約款の改正施行を控える今こそ、荷主に運賃交渉をする最大の好機」と語気を強める。同約款の改正により、運賃と運送以外の役務である「積み込み料」や「取卸料」「待機時間料」が定義づけられ、「区分して明示しなければ下請法違反になる」
同氏は、実際に荷主に運賃交渉した事業者の事例を挙げ、「『他社に変えると言われたら』と心配を口にされていたが、国交省のリーフレットを持参し、原価など実態を伝えて交渉を行った結果、全ての荷主で2割から2倍増の運賃改定となった」と笑みをこぼす。
同氏は最後に、「この約款改正で、動くかどうかによって事業者を取り巻く環境が大きく変わる」と断言。「長時間労働をなくし、効率化してもドライバーの給料が減らない賃金体系の見直しが必要」と締めくくった。
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