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物流ニュース
「免許の受験資格緩和」報道にネット上で意見飛び交う
2020年1月20日
昨年12月、警察庁がトラックの大型免許とバス・タクシーなどの第二種免許の年齢・運転歴といった受験資格を緩和する方針を固めたとの報道があった。これを受け、インターネット上には現役ドライバーからドライバーを目指す若者まで、様々な声が飛び交った。
現在の受験資格は、第一種の大型が「21歳以上で普通免許の保有歴3年以上」、同中型が「20歳以上で普通免許の保有歴2年以上」となっている。今回発表された新たな特例は、運転技能などを学ぶ教習カリキュラムを受講することを条件に、いずれも「19歳以上で普通免許保有歴1年以上」で受験できるようにするというもの。
この発表に対し、ネット上では賛否両論が飛び交った。
「免許を取るなら早いに越したことはない。実務経験を積むのが一番」と好意的な意見も出たが、「無理な規制緩和は危険」といった否定的な意見が目立った。「未熟な運転手が増えて、また事故が起きたらトラックが悪者と言われるんだろうな。何でもかんでもトラックが悪く言われるのは勘弁してほしい」。
次いで多かったのが、実際に中型や準中型免許の取得を経て、大型にステップアップした若手ドライバーらの「無駄に免許取得にお金を払っただけになった」という嘆き。「わざわざ準中とったのに数年で緩和かよ」という声や「もっと早くやってくれよ」という声が多かった。
「業界的には良いことかもしれないが、準中型などの訳の分からない制度に振り回された我々の世代は損をしただけ」という恨み節も多く聞かれた。「大型に乗りたくても乗れずに3年間無駄にした人間もいることを考えてほしい」とも。
さらに、「準中型は普通免許で運転できる車両の範囲が狭くなり、新卒など若者が採用できなくなったトラック業界からの要請ででき、今回の緩和は運転者の人材不足と高齢化に対する対策としてのトラック・バス業界からの要請。業界全体の問題として大きく考えず、場当たり的に目先の問題だけを対策した結果」と、背景を冷静に考察する声もあった。
現役ドライバーから多く上がったのは、「業界の労働環境が改善されない限り、免許制度を変えても無意味。根本的な課題の解決には繋がらない」という意見。「給料が安くて休みは無いし、拘束時間は長い。自分の若い頃(20年前)は、26歳でトレーラー23時間拘束・1か月休み無しで年収1000万という水準だった。それなら今の子でもやるかなとは思うけど」といった「給料や労働時間の改善が先」という声が多かった。
「早く大型・二種免許を取りに行きたくてずっと待ってる。あと半年で免許取って3年、 ようやく念願の大型を取りに行ける」ー。
このように、大型車に乗ることを心待ちにしている若者も少なくない。そんな若者たちを振り回すことなく、ドライバーになりたいすべての人の希望の芽をつぶさないような制度設計が求められていると言える。
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