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物流ニュース
遠い「標準的な運賃」 発荷求めて関西から岡山へ
2020年10月28日
九州など遠方からやって来たトラックドライバーが地元へ戻らず、次の仕事が入るまで高速道路のSA・PAで時間を潰すケースが見られるという。
「いまもハンドルを握ることがある」と話す岡山市内のトラック運送経営者は過日、食堂で一緒になったドライバーから「戻ったところで仕事がないから、会社の指示で待機している」と聞いた。
信じられない状況だが、走るためではなくトイレや食堂、場所によってはコンビニやシャワー設備まで整った高速のSA・PAを宿代わりとして使っている格好。「一般道に大型車両を長時間止められる場所は少ない。市中のコンビニに駐車してトラブルになったこともあるらしく、1区間の料金だけを払えばストレスなく待機できるらしい」と、聞いた通りを教えてくれた。
一方、さらに同社長を驚かせているのが運賃の低迷ぶりと、目的地とは逆方向にある荷物を積みに来る同業他社の行為。「数年前まで岡山~東京間の大型運賃は9万円ちょっとだったが、いまは8万円台の前半まで登場している」。高速道路を使って同区間を走った場合の距離を概ね650kmとすれば、先に告示された標準的な運賃表(距離)に従うと17万円に近い数字が弾き出される。実勢運賃は、その半分でしかないことになる。
引き取りの仕事で東京方面へ向かう関西の事業者が、逆方向になる岡山へ発ち荷を積みに来るケースも気になっているという。「なかには広島の福山辺りまで下るトラックも見掛ける。うちの会社も関東からの帰り荷で岡山を通り過ぎることがあるから偉そうなことはいえないが、地方運輸局の管内ごとに差をつけている国の運賃表は、かつての営業区域がなくなった現在の事業スタイルに合わない」と指摘する。
そして、かねて指摘される多層構造。国交省通達(4月24日)にも「元請け事業者の傭車費用などについては考慮せず、実運送を行う場合に要する原価について計算を実施」と記されている通り、国が示した標準的な運賃は「実際にトラックを動かした事業者が手にするもの」であるはずだが、その乖離ぶりは確かに異常だ。
同社長は「各地で標準的な運賃の説明会が開かれているが、元請けから下請け、孫請け…と続く昔ながらの縦軸の現状では無理だ。例えば『1次傭車までしか認めない』という実運送の横軸を強化するルールが整えば健全化する」との持論を口にする。
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罰則をもうけないと荷主は運賃を守らない
孫やひ孫に直で元請けが仕事を流せない風潮も古い
この運輸にはびこる慣例をまず無くしていかなくてはこの業界に未来はない
標準がそもそも低すぎる
あほくさ
罰則作れやボケカス
所詮、運送業界。あきらめてます。
ほんまに罰則作って欲しい。
正直者が馬鹿を見る、こんな事が無い様にすべき。
いやいや、なにを今さら。水屋が無くならない限り 何も変わらない。
全ト協も国交省も分かってて、動かない。
せめて、トラック、トレーラーが安心して停まれる場所くらい 確保してください。
トランコムとか適正運賃で無いのに利用する会社が馬鹿だろ。ちゃんと営業して仕事しましょう!
大手の運送会社がつくった慣習をどうやって壊していくか。
今でも、運転手を待たせて当たり前。
勤務時間や休息時間を奪っている。さらには、それで高速料金の出費が出たりする。
実際.東京~大阪、5万5千円までおちてます。めちゃくちゃです
安いだけ車が余ってるって事ですね。
標準的な料金をもらいたければ運送業はしないこと
標準的な給料をもらいたければ運転手にはならないこと
罰則も何もないじゃないか!根底には、弱いもの虐めがある。分かっている筈だが、そんなルールは、コロナで吹き飛んだ。本気で国が動け!
一度業界全体がボロボロになればいい
そこまでならないと分からない昭和のカス経営者や荷主が多過ぎる
ドライバーはお前らのおもちゃじゃない