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    顔が見える農業へ…「ユンクスの物流を真似たい」の声

    2009年7月2日

     
     
     

     「できることなら購買力のある消費者の元へ持っていって、直接販売したいと願っている」。農産物の流通に詳しい専門家は、産地の声を取り上げ、そんな分析をしている。


     専門家は、大阪の物流事業者「ユンクス」が昨年から今春にかけて、産直野菜を仕入れたのち販売していた動きを産地にも紹介。「ユンクスのロジスティクスを真似たい」といった意見も寄せられていたという。
     九州からの帰り車を利用したユンクスの事業は、産直品を大阪都心部や近郊で直接販売することで「新鮮ゆえにおいしいもの」を割安販売することが事業の核心。販売には軽トラックの機動性を利用するなど、マスコミ媒体を中心に一気に評判となったが、同社は5月中旬に突然の倒産。物量減少にあえぐ物流業界からも「荷物を自ら創り出す」ビジネスモデルが頓挫したことに対する落胆の声が上がっている。
     原材料にあたる燃油価格高騰にもかかわらず価格付けがうまくいかなかった生産者の悲鳴は、流通の橋渡し役を担う物流業界でも同じだ。「顔の見える農業」といった、ノスタルジーの響きを持った言葉は以前からあり、価格反映ができない事業者がいる。にもかかわらず、両者がうまく結びつき、連携をとってこられなかった背景には、卸業界や大規模小売店舗の業態がうまく回りすぎたこと、そしてそれ以上に物流事業者が流通構造に無関心すぎたことが上げられるのだろう。
     農水省の事業は、閉塞状況を打開する経済対策効果もさることながら、物流業界にとって流通に目を向けるきっかけになればと期待される。(西口訓生記者)

     
     
     
     

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