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    リサイクル事業に壁 立ちはだかる企業イメージ

    2009年7月23日

     
     
     

     運送事業が景気の低迷で思うような業績が上がらないとして、運送事業に付帯した新事業を行うところも多い。しかし、企業イメージに大きな問題が生じるとして、事業として行いにくいものもあるようだ。


     大阪府に本社を構える運送会社は家具・家電・日用雑貨の配送を行っており、運送事業を約30年以上行っているが、これまでにも何度となくキズものや商品にならない家具・家電・日用雑貨を産廃物として処理してきた。リサイクル商品として販売すれば、大きな利益を生み出すと分かっていても、荷主と自社のイメージダウンにつながる可能性があるため踏み込むことが出来なかった。
     物量が大幅に減少する昨今、背に腹は代えられずリサイクル事業を検討。荷主の企業イメージなどを考慮して新会社を設立。全ての許可・認可を取得してリサイクルショップ事業の展開を計画した。
     しかし、新品商品を輸送する家電・家具配送の運送会社がリサイクルショップ販売会社を設立したとの情報が荷主に流れれば、本体の配送業務に大きな影響を与えるため、「会社を設立し店まで構えているが、なかなか開店までに踏み込むことができない」と語る。
     同社社長は、「数十年間、新品の家電・家具・日用雑貨を配送してきた。これまでは配送だけで利益は出ていたが、現在は利益を出すのがむずかしい状況。ここで思いついたのが、輸送中の事故品や中古引き上げ品など数多くの使える商品が、産廃物として処分されている。こういった商品を販売すれば利益が出ることは間違いないが、荷主から疑われたり、さらに荷主自体がアウトレット商品販売も行うと思われかねないと役員会で声があがり現在、店は休業状態」と語る。
     さらに「昔から企業イメージと言われているが、最近では特にそれを重視する。エコといわれる昨今ではあるが、事故品や中古品は使えても廃棄物として処理されてしまうために、古い世代の人間にはエコが理解しがたい。企業イメージで新事業が行いにくい時代だ」と語っている。
     企業イメージにより思うような事業が出来ないのも運送会社の弱い部分だと言えよう。(佐藤弘行記者)

     
     
     
     

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