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物流ニュース
悪い土壌環境 新設5年でもタンクに穴
2010年3月12日
そもそも、何故、頑丈なタンクが腐食し、穴が空いてしまうのか。
当然、埋設時はそうならないようにアスファルトやエポキシ樹脂で覆われて保護されているのだが、地面の下では素人では理解し難い現象が起きている。
原因の一つは、鉄の表面から電流が流れ出てイオン化し、「酸化鉄」になる電気化学現象で、地下タンクや配管の外面に発生する『マクロセル腐食』。もう一つは、地中を走り回る『迷走電流』だ。
前者は、地下タンクや配管と土壌との電位差が大きいと起きやすく、後者は送電線や線路などの電車軌道が近くにあると増えるという。これらがタンクの表面にわずかに付いた傷や、吸湿などで覆っていたアスファルトが経年劣化を起こした箇所を集中攻撃し、穴を空けてしまうという。
日立グループのトキコテクノ(横浜市鶴見区)では、腐食のリスクや地下タンクの健全性を診断するサービスを展開。タンクに外部から穴を空ける要因が前述の2種類ということで、まずは地下タンクが埋設されている土壌や周辺環境を調査し、腐食リスクの順位付けを行う。
同社営業本部の宇野司氏(写真右)は、「15年以上経過したタンクや配管は、漏洩のリスクが高まっている」と指摘。「土壌の環境が悪いと、新設でも5年程度で穴が空くこともある」という。
また、高い圧力を地下タンクにかけ、健全性を確認。タンク内に人が入れる場合は、超音波でタンクの壁の厚さを診断し、肉厚が減っている部分を探すなど、さまざまな手法で調べる。
診断の結果、タンクが寿命を迎えている場合は入れ換えを提案し、まだ使える場合は、FRPライニングか同社が力を入れる外部電源法『電気防食システム』を薦める。
これは、タンクを埋設している土壌の周囲に電極を埋め込み、微弱な電流を流し続けることで、『マクロセル腐食』の進行をストップさせるというもの。土壌環境保全士の資格を持つ舟橋達也氏は、「タンクの入れ替えが難しい場合に最適で、工期も短く、コストも抑えられる」と説明する。
『電気防食システム』は自家用給油施設の場合で、1タンクあたり約200万円。『腐食リスク診断』は1サイト15万円。
◎関連リンク→ トキコテクノ株式会社
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