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    線量測定費用は荷主が負担すべき トラック業者が「立て替え」

    2011年11月18日

     
     
     

     放射能に汚染された中古車が流通し、問題になっているが、販売店以上にダメージを受けているのが中古車を輸送するトラック業者だ。8月中旬以降、日本全国の港では内航、外航を問わず船積みする中古車はすべて線量測定を受けることになった。この測定費用を、港まで運んできたトラック業者が「立て替える」格好になっている。
     日本陸送協会の水野功会長は「由々しき事態だ。われわれの仲間には9月だけで1200万円を検査に支払ったという会社もある。線量測定は本来、発または着荷主が行うべきものでトラック業者に負担する義務はない」と憤る。同協会では今後、年間200万台の取引を誇る日本中古自動車販売協会連合会、各地のオークション会場などに陳情していく構えで、17日に開催する理事会で具体的な方策を決める。


     高線量の中古車は6月末、川崎港で発覚した。毎時5.6マイクロシーベルトのセシウムを放出していた。全国港湾労働組合連合会(全国港湾)の玉田雅也書記次長は、「やはり出たと思った。同時に『こんなものに毎日触っているのか』と危険を感じ、日本港運協会と団交、全国の港で船積み前に1台ずつ、ていねいに線量測定をすることで8月17日に合意した」と話す。
     中古車を扱う港では、「原発事故で使えなくなった中古車が出回っている」とのウワサが広まっていた。事実、被災地では「処分してください」と貼り紙した放置自動車が次々に何者かによって持ち去られるという事態も生じていた。  労使合意に基づく線量測定は、それ以前に国交省が決めた「コンテナ貨物」のガイドラインに準じ、毎時0.3マイクロシーベルト以上は「除染その他」で対応、5.0以上は「取り扱わない」(港に入れない)となった。
     線量測定を手掛けているのは日本海事検定協会(NKKK)、全日本検数協会など「港の4検」と呼ばれる団体。費用は「作業員1人の拘束時間」が基本で、NKKKでは「4時間まで5万円、それを超えると8万円」と規定。その他も似たような料金制だ。
     原発事故以降、線量測定の作業が急増、4検の一つ新日本検定協会は「十数万円する測定器を海外から70台以上購入」して対応している。
     川崎港のケースは元々、外国人船員の要望から船会社が自前で測定したところ出てきたものだが、労使合意以降は、船会社から見れば「荷主」であることや「物流を停滞させれば運賃がもらえなくなる」ことから、陸送業者が主に測定費用を払っているという。「1回に3万、4万という金額は場合によっては運賃以上。負担が大き過ぎて、このままでは死活問題」「港での線量測定は国が決めたものでなく労使合意によるもの。柔軟に対応してほしい」と中小の陸送業者は訴える。
     船積みできない0.3マイクロシーベルト以上を示した中古車は、全国で測定を始めた8月17日から8月末までに240台、9月には660台と増加。大阪で毎時167マイクロシーベルトという異常なケースも出現しているほか、「被曝した新車が分解され、部品となって流通し、修理に使われている可能性もある」と証言する港湾関係者もおり、問題は当分続きそうだ。

     
     
     
     

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