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    トラックに見切り 適正運賃収受できず

    2012年4月2日

     
     
     

     競争が激化し運賃水準が下落しているトラック業界。社会保険未加入業者の存在が明らかになるなど経営環境は厳しさを増し、利益を出すために四苦八苦する事業者の姿が散見されるが、実際にトラックに見切りを付け業態転換を図った事業者は、今では事故のリスクもなくなり、利益も出るという健全経営を行っている。


     首都圏の事業者は、4年前までトラック十数台を保有していた。しかし、運賃競争が激しく運賃の叩き合いの末、思うような利益が出せなくなったという。
     こうしたなかで厳しい経営を強いられたが、それまで何十年とトラックを中心に事業を営んできた同社社長は、運送業以外の道は考えられなかった。しかし、子息が入社したことで状況は変わった。運送業を軸にしながら荷役作業の請け負いに参入し、ノウハウを蓄えるとともに徐々に実績を積んでいった。そして戸惑いながらも子の言葉に従い、4年前にトラックに見切りをつける決心をしたという。減車を行い、事業の主軸を荷役作業に切り替えていった。
     「息子が運送業をやめようと言い出したが、何十年もやってきたので、当初はトラックを捨てることに躊躇した」と振り返るが、「買ったばかりのトラックを全損事故で失ったことで踏ん切りがついた」という。
     当時は社会保険も脱退しなければならないほど、経営は困窮していたという。さらにそこに全損事故、そして排ガス規制による車両代替え問題が起こり、同社は追い詰められた。このまま続けるか、それとも思い切って業態転換を進めるか。葛藤の後にトラックに見切りをつけた。
     荷役作業は思いのほか順調にいった。「場所も荷主のところを使う。我々が準備するのは人とノウハウだけで、トラックと違って設備投資はほとんど必要なかった」。トラックを捨てて4年になるが、今では従業員全員が社会保険に加入できるようになった。労働時間の問題も解消され会社は完全に立ち直った。
     「トラック1台に何百万、大型にいたっては1000万円以上も掛かる設備投資のわりに見返りが少なすぎる。運送業が改めて費用対効果が合っていないということが、荷役をやってわかった」と指摘する同社長は、「長年運送業をやってきただけに止めることに惜しい気持ちもあったが、あのまま続けていれば今どうなっていたかを考えると、切り替えて正解だった」と話している。
     利益はすずめの涙も出ず、社会保険加入もままならない。その一方で事故という大きなリスクを抱えている。さらに行政処分も加われば運送業の魅力とは何なのかと問われかねない。適正運賃収受の必要性が改めて求められている。

     
     
     
     
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