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    消費者の誤解招く「配送料無料」

    2013年6月5日

     
     
     

     ここ数年、「配送料無料」という言葉を目にする機会が増えた。最近では、ネット通販会社が堂々と打ち出している。ある特定の商品を購入すると「今なら配送料無料」など。
     当然ながら、配送料は無料ではない。物を運ぶという行為は、その大半をトラック業界が担っており、その仕事が発生するかぎり、運賃が生じている。にもかかわらず、配送料無料とは何なのか。
     供給する店側からすると商品を値下げする代わりに配送料を無料と打ち出すことで、消費者の購入を後押しするサービスの一環として行っているのだろう。消費者側が「無料でお得」だと感じるのも至極当然のことである。ただ、「配送料無料」というこの言葉が、どれだけトラック業界、ひいては物流業界に打撃を与える言葉であるかを考えなければならない。


     よく、商品の値下げで小売りに対し、メーカーが難色を示すことがある。商品価値の低下やブランドイメージの失墜などが懸念されるためだが、配送料の場合は「値下げ」ではなく、「無料」なのである。
     商品価値の低下やイメージの失墜どころか、言ってしまえば、そこにはほとんど価値を見いだせないということになる。「配送料無料」という言葉が当たり前に出回るようになれば、実際は運賃を収受して配送を手掛けているのに、一般消費者には、無料で運んでいるものだと誤解を招く。そうなると、「配送なんて無料でできるもので、仕事としての価値も低い」というイメージを与えかねない。
     自分達の価値をおとしめかねない「配送料無料」という言葉に対し、業界として異議を唱えていくべきであろう。配送は決して無料ではない、商品を無事に届ける真心こもったサービスなのだと。
     中元シーズンを控え、またそうした言葉が出回る時期でもある。少なくとも、「配送料込み」に訂正を求めていくべきといえる。

     
     
     
     

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