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    「悩み解決部署」創設求める声、問われるト協の真価

    2013年4月30日

     
     
     

     「ト協には適正化事業の部署はあっても、『お悩み解決』の部署がないのはなぜなのか」。雑貨の地場輸配送が主力の事業者が話す。会費を払っている先の団体によって、ギリギリと締め上げられるような形はいびつすぎるのではという議論だ。
     「役にも付いていない『普通の会員』にとってト協は、こわもてでやって来る適正化指導員の顔しか見えていないはずだ」。保有トラック二十数台のこの事業者自身は社歴が30年以上で、むしろ古参に属する。事業開始当初、「ああすればいいよ」「こうやったらどうか」などと親切なアドバイスをくれる職員もト協にはよくいた、と話す。


     事業者がいう「悩み解決の部署」とは、例えば法令順守体制を中小の事業者が作り上げにくいとされる「点呼」などに、どのように手当てしていくかをアドバイスしたり、体制作りを工夫したりするというようなタイプの部署だ。数社共同で点呼することを現行法令は認めていないが、どのような要件のもとでなら社会的にも認められるのかといった妥協点を探るのも、事業者が考える部署の仕事に含まれる。
     では、そうした部署は現在のト協で創設できないのか。ト協が現在、適正化事業を行っているのは法的に、貨物自動車運送事業法38条にある「申請」が基になっている。38条は、事業者に対する指導を確実に、そして適正に行うと認められる一般社団法人(または一般財団法人)が「申請」した場合、国土交通大臣が定める区域ごとに1法人だけを適正化事業実施機関として同大臣が指定することができる、と定める。
     一方、悩み解決部署を作れる条文は、39条「(適正化機関の)事業」に存在する。同条4号は、「貨物自動車運送事業に関する事業者又は荷主からの苦情を処理する」ことと定める。ただ、この条文は「法の内容の事業で結ばれた事業者と荷主の苦情解決という意味に、一般には解釈されている」(業界関係者)こともあり、法の外にある社会的妥当性を探るための根拠条文ではないとの解釈もある。
     ある事業者は、「ト協はそもそも民間団体であり、事業法に書かれている以外の仕事をしてはいけないということは全くないはず。『官益法人』とも揶揄された旧の法人から新公益法人に移行するト協の真価が今後、問われることになるのでは」と話す。
    ■<適性化>担当者によって違う基準
    「担当者ごと、ひいてはト協ごとの指導基準があまりにも違う」。ある経営コンサルタント会社で実務を担当する人物の意見だ。車内ベッドでのドライバーの睡眠が、「改善基準告示」でいうところの休息時間には該当しないと判断された近畿地方の運送会社を紹介する形の記事(本紙3月11日号)について、「実態と少し違うのではないか」とする。
     同氏がコンサルを担当する関東地方の運送会社でも以前、同様のケースがあったというが、その時は休息時間として認められたという。「県によって、あるいは適正化事業の担当者によって、とらえ方がまちまち」という。
     運送事業者からよく聞くのは、指導員は指導や法の専門家ではあっても、運送業の実態を必ずしも把握せずに指導をしている、という点だ。ある事業者は、「確かにウチの会社から荷主の工場までは距離にして10キロそこそこだが、朝のラッシュ時であることも考慮して2時間前に出発させている。それに関して『どうしてこんなに時間が必要なのか』と聞いてくる」と言い、個々の事業者でしか知り得ない部分への指導員の言及が気に入らない様子だ。
     また、別の事業者は「分筆はされているが、つながった土地を車庫に使用していたら、『計画を出し直してください』。もう少し融通は利かないのか」と、こちらも怒り気味だ。
     「法の順守」「公平な指導」という指導員の立場に立てば、「運送業の実態」に目を向けることの優先順位は必ずしも高くないのかもしれない。ト協が適正化事業を受け持っているのは法で定まっていることではなく、ト協の申請で成り立っている制度だ。ト協が適正化事業を続けていくべきか否かも含めた議論は必要ないだろうか。

     
     
     
     
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