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    ドライバーが他業種に転職 賃金、休日など条件面厳しく

    2014年7月1日

     
     
     

     深刻化するドライバー不足の波は、今まで高い品質を目指して教育にも力を入れてきた運送事業者にまで押し寄せている。従来は魅力の一つであった賃金だが、他業種に劣るという問題が指摘され、「人材獲得時のネックになっている」という声も上がっている。こうした現状の中、経験の浅い若いドライバーではなく、社歴の長いベテランドライバーが、賃金を理由に退社するというケースも発生し、事業者も危機感を募らせている。
     食品輸送を手掛ける埼玉県さいたま市内の事業者(30台規模)は、納品時に厳しいチェックを伴う特殊な配送業務を手掛けている。同社役員は、「ここ数年の人材不足も、ウチは無縁と思っていた」と言うように、これまでドライバー教育に力を入れ、品質向上などで成果を挙げてきたという。しかし、そんな同社にも変化が生じた。


     今年4月に入って突然、「給料が高く休みも一定という理由で、ドライバーが建設業へ転職してしまった」という。こうしたドライバーは一人ではなく、さらに同役員を悩ませているのは、「経験を積んだベテランドライバーが離れている」という点だ。新たな雇用も追いつかず、同社では今後、3台の減車を予定しているという。
     「ドライバーらは3割ほど高い給料で6~7年は十分稼げるからと、目先のメリットで動いてしまった」と同役員は話す。同社では、配送先ごとに定められている細かいルールを覚え、あいさつなどのコミュニケーションを取りながらの作業にも問題なく従事できるドライバーを育てることで、これまで荷主の信頼を得てシェアを伸ばしてきた経緯があった。日々のコミュニケーションを重視し、社内での表彰制度を設けるなどドライバーと向き合い、「ほめて伸ばす教育には、時間を惜しまず取り組んできた」。同役員は、自社のドライバーたちがこうした仕事内容にやりがいを感じて取り組んでくれていると思っていたという。それだけに、「給料で転職されたのは本当に残念だ」と話す。
     また、同時に、賃金が高かった頃はいざ知らず、今では「私生活重視の風潮が影響してか、休みや労働時間に不満を持つドラバーが増えてきている」とも指摘している。「やりがいをもたせる教育をしてきたつもりだが、給料や休日といった条件面では建設業に勝てないのが現状」とし、「今まで頑張ってくれていたのになぜと思うが、お金には勝てない」とこぼす。
     厚労省が平成26年2月に発表した「賃金構造基本統計調査(全国)」によると、同25年度の運輸・郵便業の平均賃金(20~69歳)26万6000円(前年比1.7%減)に対し、建設業は33万円(同2.3%増)で、25~29歳の若年者層でも1.5万円ほど建設業が上回る結果となっている。 「人材確保のためにドライバーの休日確保や労働時間を短縮しようとすれば人を増やすしかない」と言うが、肝心の人材が集まらないことに加え、「人を増やせば、一人あたりの給料は下がる」というジレンマがある。
     「仕事の依頼はあり、本来、増車したいところだが、ドライバー不足で減車せざるを得ない」という同役員は、「傭車に出せば費用もかさみ、ドライバーの賃上げもますます難しくなる」とし、幾重にも重なった負のスパイラルに頭を悩ませている。

     
     
     
     
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