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    バンドー化学 定期便化の拡大を推進、物流品質向上へ

    2015年1月26日

     
     
     

     伝動ベルトなどゴム・プラスチック製品メーカーのバンドー化学(吉井満隆社長、神戸市中央区)は現在、トラック輸送網において定期便化の拡大を推進している。路線便による積み残しの常態化や、破損、延着などの不具合を改善するため、定期便化を進め、物流品質の向上につなげる。昨年3月末で60ルートだった定期便を、3月をメドに85ルートまで拡大する計画。ものづくりセンターBPS推進部物流グループ長の東口正二氏に話を聞いた。
     同社のいう定期便とは、貸し切り便もしくは他社との共同便による定時定点運行のこと。毎日出荷で荷量が安定している顧客を対象とし、同社の全国の生産拠点(南海工場=大阪府泉南市、和歌山工場=和歌山県紀の川市、加古川工場=兵庫県加古川市、足利工場=栃木県足利市)を中心に、昨年10月時点で71ルートが運行している。


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     路線便から定期便に切り替える取り組みについて東口氏は、「路線便は残荷が日常茶飯事で、特に繁忙期と重なった昨年末はひどかった。配達が遅れ、迷惑をかけていた」と問題点を挙げる。「せっかく工場でリードタイムを短縮して生産しても、届かなければどうしようもない。停滞していると在庫になる」と指摘。
     さらに荷物の形態が限られているため、同社のコンベヤーベルトやパレットなど不定形な製品は運んでもらえないこともある。輸送品質では、発店→中継店→着店と中継されるため、ドライバーもその都度代わり、原因・対策の是正と歯止めが効かないなど不具合内容は少なくないという。
     そこで、地場の運送会社による定期便化の拡大を図ることで、「いつ、どこにあるのかをお客様に知らせることができ、要求通りに製品が定時に届く」と東口氏。顧客からすれば、必ずその便に載っているので安心して業務の段取りを組める。「路線便だと積み替え積み替えで、誰が運転しているのか分からず、到着時間もバラつく。定期便は同じドライバーが同じルートを回り、きっちりと時間通りに着く。トラブルも起こりにくい」とし、「路線便は我々が采配できないが、定期便はフレキシブルに増やしたり減らしたりでき、効率がよい」。調達物流でも定期便化を進めているという。
     さらに、貸し切りのため裸梱包でラベルだけで届けることも可能で、梱包資材の削減にもつながる。開封する手間もかからず、破棄する必要もなくなるなど環境面でのメリットも挙げる。
     一方、昨年から定期便を依頼する運送会社には監査を実施している。「かつて定期便を依頼した運送会社がつぶれて、急に代わりのトラックも見つからず四苦八苦した」こともあり、「徹底した三現主義で定期便ができる体制かチェックし、できていなければ指導する」。法規的なことや作業手順、乗務員の運行体制、緊急時の対応などをチェックするだけでなく、経営面でも監査を行う。資金繰りや利益、売り上げなどは正常か、借入金は適正かなどを年に1回実施している。
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     「運送会社に任せていたら保険類が期限切れのままとなって、結果的に法を守らないこともあり、当社が定期的に監査をしている」とし、トラックに同乗したり、抜き打ちでトラックの後をつけて回ることもあるという。顧客からクレームがあるとすぐに指導する。運送会社にとっては、今まで不安定だった仕事内容が定期便化で安定し、雇用面でもドライバーが辞めなくなる、また、採用しやすくなるなどメリットも多く、喜ばれているという。また、物流グループメンバー全員が運行管理者の取得をされ、運行管理上の問題がないように配慮もしている。
     今後の戦略として、「現在は国内物流がほとんどだが、グローバルSCM機能の強化を図っていきたい」としている。
    ◎関連リンク→ バンドー化学株式会社

     
     
     
     

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