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    冨士倉庫運輸 兼元社長 「対エンドユーザーの視点で」

    2015年9月15日

     
     
     

     タクシーや介護事業、ホテルなど、グループ企業で幅広く事業を展開し、その中核会社として倉庫業をメーンに手がける冨士倉庫運輸(京都市伏見区)。大手商社で14年に渡り、海外を中心にプラント事業を担当していたという兼元邦浩社長が率いる。
     当初は「家業を継ぐつもりはなかった」というが、グループ会社の多角化をきっかけに同社へ。商社に勤務していたこともあり、「輸出入のことは理解していたし、物流について全くの素人というわけではなかったが、逆に国内の物流、とりわけ倉庫業は門外漢に近かった。まず、『キロ何銭』というように、1円以下の単位があることに驚いた。それほど認識が浅かった」と当時を振り返る。
     現在は倉庫業にとどまらず、3PLや流通加工事業を積極的に展開。きっかけは、「順調だったBtoBのビジネスが、リーマン・ショックでガタッときた」ことだったという。そんな折、「倉庫業青年経営者協議会(倉青協)に誘われ、仲間の取り組みを見て倉庫業の広がりを目の当たりにした。パレットやフォークリフトを使って荷役を行うことに固執せず、世の中の商流を見て、その流れに乗ることが大事だと分かった」。その時の感覚を、同社長は「目が覚めた」と表現し、感謝の気持ちを露にする。


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     現在は地元である京都という地域性に着目した、着物通販の発送代行が順調。また、和菓子メーカーのスルーセンターの仕事も好調で、現状、常勤パートは60人、繁忙期には100人近くになるという。「当初は人材確保に不安もあったが、女性でも働きやすい職場を意識し、人材育成プログラムが効果を発揮したことで採用も順調」。同地への進出は先代が決めたことだというが、周辺は京滋バイパスや第二京阪道路をはじめ、交通環境が格段に向上している。「倉庫を建てた当時は、周りは田んぼや畑ばかりだったが、いま思うと先見の明がある」と思いを馳せる。
     「国内経済もオリンピック後は、いまと同じような活況というわけにはいかないだろう。3年先がピークではないか」とし、慎重に経営の舵取りを行う。「ホームランは狙わない。身の丈に合った展開を」が信条で、通販物流の新規開拓では「売り上げが1億円を超える成長途上の顧客を集め、共に成長していく」としている。「大口顧客になると厳しい価格競争に陥りがちなので、クリーンヒットを積み重ねることが重要」。また、中規模の案件を積み重ねることで、「ピーク時のバランスを取る」という狙いも。「1人のパートが数件の案件に従事できるよう汎用性を高めている」。
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     今後は「『対取引先』ではなく、『対エンドユーザー』の視点で物事を進めたい」とも。その一例として「インバウンド旅行者の手荷物の宿泊先への配送」を挙げ、「現状のリソースで対応できる」と、地域密着型の新ビジネス構想を思い描く。
     同社がタイヤディーラーのバックヤードとなる「タイヤ預かりサービス」も倉青協の仲間と展開。「毎年、倍々ゲームで取り扱い件数が増えている。潜在ニーズを取り込む重要性を実感している」とし、さらに新たなビジネスの種を探す日々だ。
    目標設定とレビューで成長の実感が重要
     中学生の頃から楕円のボールを追いかけた生粋のラガーマンで、高校時代には花園(ラグビー場)に出た経験も持つ兼元社長。現在は倉青協の副会長を務めるなど多忙を極める中、母校の同志社小学校のクラブチームの監督を務めている。
     「経営者として社員に接することと、監督として児童を指導することに似た部分がある」と同社長。同社では毎年、すべての社員が目標設定を行い、半年ごとにレビューする取り組みを行っているが、ラグビー指導でも実践しており、学年の変わる1年ごとに振り返る。同社長は、「社員も児童も、それぞれが自身の成長を実感することは重要」と語る。
    ◎関連リンク→ 冨士倉庫運輸株式会社

     
     
     
     

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