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    共同配送に新たなキーワード 「安定供給、車両確保」

    2015年10月22日

     
     
     

     共同配送といえばこれまで、物流の効率化や合理化を目的として実施されてきた。現状でも、その目的は大きく変わってはいない。しかし、荷主が共同配送に取り組む目的の一つに、新たなキーワードが目立つ。それが安定供給だ。背景には、2012年の年末から2013年4月の消費増税までの5か月間に発生した車両不足による物流機能の停滞がある。さらに、その裏には、運送業界が抱えるドライバー不足という深刻な問題が潜んでいる。
     今年6月にビールメーカー3社での共同配送をスタートさせたアサヒビール(小路明善社長、東京都墨田区)。CO2削減という理念のもとにメーカーが集まり、首都圏の小規模物流の効率化を図っている。経営企画本部物流システム部の井石明伸担当副部長は、「高コストになる首都圏の小規模物流はいわば弱点。拠点の共用で配送距離を縮めることで、これを補い合うねらいがあった」と経緯を説明する。


     同社が同業他社との共同配送を進める理由について、あくまで物流コストの抑制と環境負荷軽減を第一とした上で、「必要な車の台数が減るので、車両不足への対策としてもメリットはある。トラック不足は現時点でも深刻な課題」とし、車両不足が少なからず背景にあることを示唆する。「安定供給の使命を果たすためには、ドライバー不足など中長期的な物流環境の変化に対応する施策が必要」とし、今後、共同配送強化も視野に入れ、取り組んでいくとしている。
     また、医薬医療品業界では、安定供給の確保を第一の目的とする共同配送が始まっている。輸液・透析分野での共同配送を発表した大塚倉庫(濱長一彦社長、大阪市港区)と陽進堂(下村健三社長、富山市)。医薬医療品業界では、商品に対する物流コストが占める割合が比較的小さいため、「これまで共配の必要もなく、ほとんどそうした動きはなかった」(濱長社長)という。陽進堂の田村仁一営業本部長は、輸液・透析分野での物流の共同化を進めた背景に、「命を預かる立場として、確実に届ける安定した仕組みが必要だった」と打ち明ける。これまで、独自での物流に取り組んできた同社だが、ドライバー不足や、それにともなう車両不足で、物流に支障をきたすケースが指摘され、安定供給に対する危機感を募らせていたという。
     さらに、厨房機器関連2社も、同じく安定供給のための車両確保を目的に、7月から共同配送の取り組みを開始した。1台のトラックを行き・帰りでシェアすることで運送事業者の安定した運行を保証し、車両確保と効率化を図る。同社担当者は、「今後さらに強まると予想される車両の減少に備え、運送会社がやりやすい仕事を提供したいと考えている」とし、共同配送の車両は優先的に積み下ろしをするなど、事業者のコンプライアンスにも配慮した、よりよい環境づくりを推進していくとしている。
     従来、物流コストの圧縮やCO2削減という枠組みで語られてきた荷主メーカー間の共同配送。それが今、トラック業界の人材不足を背景に、「安定供給」「車両確保」という新たな目的が加わりつつある。積載効率だけでなく、共同配送で運送事業者の待遇改善までも視野に入れるメーカも現れており、今後、安定供給、車両確保を目的とした共同配送の動きが活発化しそうだ。業界におけるドライバー不足や車両不足が、すでに荷主の物流に影響を及ぼし始めている。 

     
     
     
     
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