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物流ニュース
社整審と交政審 物流政策の基本的な方向性「物流の変わる」
2016年1月26日
国交省は昨年12月25日、国土交通大臣による今後の物流政策の基本的な方向性についての諮問について、社会資本整備審議会(三村明夫会長=新日鐵住金相談役名誉会長・日本商工会議所会頭)および交通政策審議会(淺野正一郎会長=情報・システム研究機構国立情報科学研究所名誉教授)の答申を公表。今後目指すべき物流の将来像を明確に示すとともに、「物流が変わる」という前向きなメッセージを盛り込んだ。
昨年4月、国土交通大臣からの諮問を受け、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会(家田仁部会長、東京大学・政策研究大学院大学教授)と交通政策審議会交通体系分科会物流部会(野尻俊明部会長、流通経済大学学長)が合同で協議を重ねてきた。
物流分野の労働者不足が深刻化すれば、日本の経済成長や国民生活の向上に必要な役割を果たしていく上で大きなボトルネックとなりえる。
危機を乗り越えるためには「物流事業者や関係行政当局のみでの取り組みでは不十分」で、「荷主やインフラ管理者、消費者を含むあらゆる関係者が危機を共有し、問題に真剣に向き合い協力して具体的な解決を図ることが必要」と強調。こうしたメッセージを〝危機を乗り越え、自ら変わる、日本を変える~「物流生産性革命」と「未来に輝く物流への進化」へ協同~〟として、答申のサブタイトルに込めた。
具体的には、サービスの質に応じたコストが迅速性、確実性、安全性などのサービスの質に応じてコストが生じることや、災害時における支援物資輸送など社会的な役割を果たしていく上で必要となるコストについても、「国民の理解を得つつ、関係者で適切に分担していく必要性がある」とした。
また、2020年度をメドに過積載の違反車両を半減するため、動的荷重計測(Weigh―in―motion)による自動取り締まりなど、実効性をあげる取り組みを強化するとともに、過積載は荷主からの要求や非効率な商慣習が大きな要因となっているという状況を踏まえ、荷主にも責任とコストなどを適切に分担させていくための取り組みも併せて行っていく必要があるとした。
こうした取り組みは、物流事業者の海外展開や農林水産物・食品の輸出などの新たな成長につなげる必要がある。「物流事業者がこれまで以上に強い経営基盤や的確な企画・提案力、確実な実行力などを持って発揮することで荷主の信頼を得て、日本の産業構造の変革をもたらすことが重要」とし、生産性向上と合わせて、持続可能な物流への進化も同時に行うべきとした。
答申後も、統計データの把握やその利用によって現状把握を行い、目標レベルの設定とその達成状況の評価などPDCAサイクルをまわしつつ、幅広い関係者との対話による問題意識の醸成と、施策のバージョンアップを図っていく。
◎関連リンク→ 国土交通省この記事へのコメント
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