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物流ニュース
顧客対応の重要性 電話、メール応対力強化
2016年10月18日
トラック運送業に限らず、他社との差別化を図り、業績を上げるためには「顧客対応力」が重要な意味を持つとされている。テレビCMなどで「顧客満足度(CS)第1位」とうたう企業が増えたように、長期的で継続性のある利益の確保と維持のためには、顧客へ密にアプローチし、信頼を得ることが必要だ。顧客への対応が良ければ、自社のファンになってくれる上に、時には口コミなどで企業の営業マンになってくれる場合もある。逆に、顧客への対応が悪ければクレームにつながり、悪評が広がるなどの事態になりかねない。現在のようなネット社会では、口コミが大きな影響力を持つため、顧客対応の重要性はきわめて高い。
トラック運送業は、ドライバーの対応が会社のイメージを形成することが多い。時には社長や事務職の電話一つで、顧客の対応が変わる場合もある。大阪府の事業者社長は、同業者の電話対応について「相手の社長に電話をしても、いつまで経っても返答がなかった。事務職の方に連絡をお願いしても、その社長から折り返しの返事がなく、ついには仕事を切られる覚悟で電話対応の悪さについて指摘した」という。
その後、反省した様子の社長は、どんなに忙しい際でも1時間以内に必ず連絡を返すようになったという。「忙しいのは分かるが、コミュニケーションには丁寧さはもちろん、対応の早さも重要。電話対応一つで損をしてしまうため、自分を顧みてほしいと伝えたかった」と振り返る。
また、別の事業者では社員の電話対応を社長自らが厳しくチェックするという教育を行っている。きっかけは事務所の増築で、一時的に社員と社長が同じフロアにいる時間ができたためだ。
「社員の質には自信を持っていたが、いざ社員の電話対応を聞いていると、社名はきちんと言わない、自分の名前しか名乗らないなど、レベルがバラバラだった」とし、「現在では知らない会社から電話が掛かってきても、顧客と同じように丁寧に接するようになった。1本の電話の問い合わせが仕事につながるケースは多い」と指摘していた。
また、電話に限らず、HPからの対応にすぐに返答しない会社は、顧客から選ばれにくいようだ。「本当にオンリーワンのサービスを提供する会社なら、問い合わせた側から何度も催促のメールなどがあるかもしれないが、一度連絡できないとあきらめて次を探す場合の方が多い」と、別の事業者は話す。
「お客様は神様です」。やや使い古された言葉であるが、会議となると自分たちのサービスや組織のことばかりで、「顧客」が蚊帳の外に置かれてしまっている場合が多い。手間のかかることが価値になる現代では、顧客満足度を上げるために一人ひとりのレベルアップが欠かせない。
トラック運送業をサービス業と位置付ける中で、ドライバーの第一印象を高めるために身だしなみやあいさつの指導を行う事業者は多い。しかし、第一印象をさらに高めるためには、凡事徹底を肝に銘じながら、内勤の社員の電話やメールの応対レベルを上げることも重要ではないだろうか。この記事へのコメント
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