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物流ニュース
OCHIS セミナー開催「健康起因事故防止のために」
2016年12月29日
ヘルスケアネットワーク(OCHIS)は11月11日、「健康起因事故防止のための健診結果の効果的な活用方法について~データに基づいたハイリスク者の見える化~」をテーマに、第11回OCHISセミナーを開催。
セミナーでは大阪をはじめ、東京など全国から参加者が集まったほか、運輸に特化した健診システム「運輸ヘルスケアナビシステム」が披露された。開会あいさつを行った武田裕理事長は、「健康起因事故を起こす自動車運転者が増えている中、今後は、もう一歩踏み込んだ検診結果の効果的な活用方法について取り組んでいく」と述べた。
全ト協常務理事の永嶋功氏が祝辞を述べた後、基調講演として国交省安全監理第一係長の鈴木謙一氏が、「事業用自動車の健康起因事故防止対策」について解説。事業用自動車事故調査委員会の活動状況や軽井沢スキーバス事故を受けた監査の緊急実施などについて説明した。続いて、大原記念労働科学研究所の酒井一博所長が「運輸事業者をバックアップするための社会的サポートの必要性」と題し、生活習慣病・メンタル不全・認知症の予防や運輸業界における勤務環境改善などを解説した。
OCHISの作本貞子副理事長と保健師の黒田悦子氏が講演した「データに基づいたハイリスク者の見える化について」では、定期健康診断のフォローに関し、事業者ができない部分をサポートする運輸に特化した健診システムとして、「運輸ヘルスケアナビシステム」を初めて発表。専門的な知識がなくても指導対象者が簡単にピックアップでき、事業者が自ら行う指導履歴を残すことが可能となる。
事業者から紙媒体・エクセルなどで健康診断と睡眠時無呼吸症候群(SAS)のデータを預かり、データ入力、システム管理を行った上で、総合的助言・指導を行う。2017年4月から第1ステップがスタート予定で、2018年4月には、運行データとのリンクなどが可能になる第2ステップが開始される予定。
さらには、「ドライバーの健康管理~わが社の取り組み~」と題し、事業者代表としてコフジ物流代表取締役社長の堂坂佳延氏が講演した。健康への取り組みとして社内にフィットネス施設の完備、SASスクリーニング検査を全社員対象に実施し、治療困難者には適切な配置転換を実施したことを紹介。また同社では、家族との直接的なコミュニケーションの場としてバーベキュー大会や芋掘り、みかん狩りなどを実施している。
パネルディスカッションでは、セミナー内で集計された運輸ヘルスケアナビシステムのアンケートについての結果が公表され、回答者のうち、既に実施していると回答した人以外全員が、システムを使用したいと回答した。
最後は、作本副理事長が「OCHISは今後、定期健康診断後のサポートを一貫して行い、今回、紹介したシステムを多くの中小企業に使っていただき、底上げを図っていきたい。皆様のご意見をうかがいながら、業界のためにシステムを構築していく」と締めくくった。
◎関連リンク→ NPO法人ヘルスケアネットワーク(OCHIS)この記事へのコメント
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